LNG=2月3~7日:相場下落、中国の需要急減で
【DES北東アジア】
DES北東アジアのスポット相場は急落した。中国向けの需要が急減しており、北東アジア着の需給の緩みが顕著だった。マレーシアのビンツルプロジェクトや豪プレリュードプロジェクトの供給障害はあったが、需給を引き締める要因になっていなかった。中国海洋石油(CNOOC)は5日、LNGの引き取りに対して不可抗力条項(フォースマジュール)を宣言したもよう。CNOOCは4日時点で英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルや仏トタルなど購入量の多い長期契約者に対してフォースマジュールを宣言する可能性があると伝えていた。新型肺炎の感染拡大を受け産業活動が低迷し、ガス需要が急減している影響を考慮したものだ。また、中国石油天然気(ペトロチャイナ)も近く、フォースマジュールを宣言すると見られていた。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
FOB中東、DES南アジアおよび中東相場は大幅続落。2月着の売り物を残し、期近物の唱えを切り下げて売りを急ぐプレーヤーが見られた。これを受けて3月前半着の下げ圧力が強くなった。インド勢の買い動意が見られたが、需要を上回る供給が見られた。インドではエサール製鉄が2021~2023年に引き取る36カーゴの買付け入札を実施。またグジャラット州石油公社(GSPC)は入札で4~10月着計7カーゴに買いに動いていたが、相場が下落基調にあったため、締め切りを3日から10日に延期した。
【FOB大西洋圏・DES欧州および南米】
FOB大西洋圏・DES欧州および南米相場は下落。ギリシャやトルコで今週、買付け入札が実施されているものの、大西洋圏や中東出しの売り物が潤沢となっており、需給緩和感が強かった。ギリシャ国営ガス会社(DEPA)は5日に、3~5月に到着する各1カーゴを対象に買付け入札を締め切った。一方トルコのボタシュは6日に、3月着の買付け入札を締め切った。対象は3月10~11日、同15~16日、同22~23日、同26~27日に到着する各1カーゴだった。