LNG=4月27日~5月1日:北東アジア着相場は記録的水準に下落
【DES北東アジア】
DES北東アジア相場は期近の6月後半着が1ドル台まで下落した。販売入札が相次いで実施され、供給過剰感が強かった。スポット相場は記録的な低水準であるものの、高在庫などを背景に手当てに動けない需要家が多く需給の緩い状態が続いた。パプアニューギニアのPNGLNGが29日に締め切った販売入札は、6月上旬積みがFOBベースで落札が決まった。PNGLNGはJERAと大阪ガスが下方数量弾力性(DQT)でターム玉の引取りを減らしていることを背景に、たびたび販売入札を実施している。豪イクシスLNGは28日にイクシス出しを対象に販売入札を締め切り、JERAが6月7~8日積みを落札したとの見方が有力だった。またクウェート海外石油探鉱(KUFPEC)が28日に締め切った6月21~26日積みの豪ウィートストーン出しの販売入札は、ポートフォリオプレーヤーが落札した。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】
FOB中東、DES南アジアおよび中東相場は下落。カタール出しを中心にスポット玉が多い一方、インド、中東向けの需要は伸びを欠いた。各プレーヤーともターム玉で需要を満たしていた。ドバイのジュベルアリ基地(年間受入能力309万トン)には1日、ダス島プロジェクト(年産800万トン)出しを積載した標準型船「アルハムラ」号(容量13万7,000立方メートル)が到着した。ジュベルアリ基地がカーゴを引き取るのはおよそ半年ぶりで、今年の初カーゴとなった。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】
米国で生産削減を進められ、6月には米国出しが最大25カーゴキャンセルされるとの見方が有力だった。これに伴い欧州着ベースで米国出しの代替玉を手当てする動きが散見された。米シェニエールはこれまでに5月着を蘭TTF先物相場に対して20~30セントのディスカウトでスポット購入した。米サビンパスプロジェクト(年産2,250万トン)は、一部液化設備の稼働を引き下げているため、シェニエールは代替玉を購入したと見られた。