LNG=5月11~15日:北東アジア着相場は反発、豪州出しの供給減受け
【DES北東アジア】 DES北東アジアのスポット相場は小幅反発した。商いの中心となる7月前半着の相場は2.50~2.60ドルと4月末に比べ50~60セント上昇した。ゴーゴンプロジェクト(年産1,650万トン)やプレリュードプロジェクト(同360万トン)など豪州出しに加え米国の複数プロジェクトの供給量が減少した。ゴーゴンプロジェクトのオペレーターである米シェブロンが長期契約者に対して供給時期の先送りを要請したため、計4カーゴ程度に影響が出た。これらプロジェクトの生産者であるシェブロン、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルをはじめメジャーが6月積みを中心に長期契約者に対する買い戻しを続けた結果、市場のセンチメントが強気に振れた。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州着の需給は緩さが解消されなかった。欧州着ベースでは、ナイジェリア、アンゴラ、トリニダードトバゴ、米国やロシアなど大西洋圏出しに加え、カタールなど中東出しの売り込みが続いた。この半面、欧州では各地で気温が上昇したうえ、新型コロナの影響でガス需要が低迷した。
【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 中東着の商いでは、各地の気温上昇を受けLNGに対する需要が僅かながら増え始めた。これまでは国営クウェート石油(KPC)が唯一、コンスタントにLNGを引き取っていたが、今後はヨルダン、イスラエルなどでもLNGの引き取りが増えそうだ。このうちヨルダンでは、日中の最高気温が40度近くまで上昇しており、発電用および空調用のガス需要が増え始めた。ヨルダンは、ゾールガス田出しを含めエジプトからのパイプラインガスの供給で需要を賄っているが、夏場はLNGを輸入して不足分を補う必要がある。ヨルダン国営電力会社(NEPCO)が運営するアカバ基地(年間受入能力380万トン)では12日、トリニダードトバゴのアトランティックプロジェクト(年産1,050万トン)出しを積載したDFDE型「マランガスエフェソス」号(容量15万9,800立方メートル)が入着し荷揚げを終えた。当該カーゴはシェルが、アカバ基地を運営するヨルダン電力会社(NEPCO)へ長期契約の一環として供給した。 |
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