国内石油製品=5月11~15日:陸上 東名阪は急騰、元売り仕切り大幅引き上げで
【陸上市況】
東名阪の製油所出しでは、週半ばに急騰した。JXTGエネルギー、出光シェル、コスモ石油が仕切り価格を前週より6.5円も引き上げことで、卸各社が足並みを揃える格好で一斉に値上げを進めたため。ただ、その後は週末にかけて軟化傾向となった。相場の上げ期待で盛り上がっていた仮需の反動で買い気が一気にしぼむ一方、月間平均玉を温存してきた卸各社が手持ちの処分売りに動意付いたためだ。積み上げ切った二次基地の在庫の放出も始まり、販売競争が激しさを増した。とくにガソリンはコロナ禍による小売の販売不振で荷余り気味の業者が多数みられるほか、千葉や阪神で積極的に出物を吸い上げる出光シェルの買い気が弱く、売り優勢が顕著だ。元売りの中には、増枠要請を進める向きもあるなど需給の緩みが著しかった。
【海上市況】
大型連休中に原油価格が反発したものの、陸上価格の底上げが鈍いことから、総じて上伸力を欠いた。ここへ来て、輸入採算が悪化したことから、日本向けの商談は様子見。
一方、緊急事態宣言が全国的に出されていたことで外出が自粛され、大型連休中のガソリン販売の落ち込みが著しいとの声が聞かれる。元売りによっては、前年同期で7割程度にとどまっているという。半面、中間品の販売は比較的好調で、灯油は北日本中心に気温が低かったことから、前年より5割以上の販売実績もあった元売りもいたようだ。このため、既に手持ちが品薄のディーラーも見受けられる。軽油、重油も灯油ほどではないものの、前年を上回る販売を達成しているようだ。