石油化学=3月15~19日:プロピレン一段高、誘導品相場高騰も追い風
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場、北東アジア着のパラキシレン(PX)相場は一段安となった。原油相場の水準が直近の高値から切り下がったことを受けた。また誘導品のPTAでは中国で新規設備の稼働開始が相次いでいることもあり、中国国内でPXとPTAの価格差が縮小しているもよう。一方、PXとナフサの格差は2月末ごろよりも縮小したが、2月初旬より大きい状態を維持している。今後、PTAの採算低下がPX相場の重石になる可能性もありそうだ。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は、需給緩和を受けて下落した。供給面ではエチレンの採算性がこのところ高まっていたこと、エチレンの新増設設備が稼働を開始したことから、複数の石化メーカーがスポット玉を販売していた。需要面では、誘導品であるスチレンモノマー(SM)やエチレングリコール(EG)の採算性が低下しているため、誘導品メーカーが様子見に後退している。当週の商談では、4月中国着が1,130ドルで成約された。
アジアのプロピレン相場は供給タイト感から強含んだ。
北東アジア市場では定修の定修が多いなか、供給にタイト感が強い。こうした状況下、仕入れコストが高く、売り手が強気な姿勢を見せている。一方、需要家の買い気が見られるが、誘導品であるポリプロピレン相場が軟調に推移するなか、輸入品の買いに慎重。こうした状況下、相場はじり高状態となった。
東南アジア市場では誘導品であるアクリル酸の需要が堅調に推移するなか、プロピレンに対する買い気が強い。一方、供給に引き締まり感があり、需給が引き締まっている。
アジアのブタジエン相場は需給引き締まり感から上昇した。
北東アジア市場では韓国および台湾向けの需要が旺盛。一方、スポット玉の売り物が限られているなか、売り手は強気な姿勢を崩さない。ただし、足元の相場に過熱感があると需要家は高値追随には消極的。
中国では茂名石化のブタジエンゴム設備が週初めに火災で稼働停止した。加えて港のブタジエンタンクが満タン状態となっており、ブタジエン供給に潤沢感がある。こうした状況下、一部売り手は輸出販売を検討しているもよう。