LNG=4月5~9日:中国石油化工、天津基地向けに50カーゴを買付け
中国石油化工(SINOPEC)が6日に締め切った入札で、6月~2022年2月に主に天津基地(年間受入能力1,080万トン)へ到着する50カーゴ前後を落札した。このうち英BPが10カーゴ、リトアニアのトレーダーリタスコ、欧ビトールがともに7カーゴ、独RWEが5カーゴを落札。これら4社の落札価格は、総じて北東アジア着スポット市況に対してフラット~小幅なディスカウントとなった。この他、三井物産、欧グレンコア、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル、露ガスプロム、欧ガンボー、ペトロチャイナインターナショナル(PCI)、米エネルギー取引大手のシックスワンコモディティー(Six One Commodities)も落札した。SINOPECは、中国河南省北部で2019年から稼働している天然ガスの地下備蓄設備「WEI23」の備蓄設備の受入能力を増強しており、「WEI23」とパイプラインでつながる天津基地着の購入量を増やしている。冬場の2月までは、地下備蓄設備に貯め込んだ天然ガスをパイプライン網へ向けて放出するタイミングだが、不需要期の4~5月は逆に天然ガスの在庫を一気に積み上げる時期となっている。
【FOB中東、DES南アジア、東南アジアおよび中東】 タイ国営石油PTTは7日締め切りで実施した入札で、5月7~15日にマプタプット基地(年間受入能力1,150万トン)へ到着する1カーゴを購入した。落札者は不明ながら価格は7.00ドル台前半の水準となった。タイでは夏場に向け気温が上昇しており発電用、空調用のガス需要が増加した。またタイでは、ミャンマーのヤタグンガス田出しの天然ガスをパイプラインで引き取っているが、ヤタグンガス田では先の軍事クーデター後の動乱を受け、操業に支障が出ており生産量が大きく落ち込んだ。このため、タイ向けの送ガス量が減少することとなり、PTTが代替えとしてLNGをスポット購入せざるを得ないといった事情があった。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 アンゴラLNGは13日締め切りで、FOBあるいはDESベースの販売入札を開示した。FOBベースの場合、最も遅い積み日が5月22日に指定された。DESベースでは、最速の到着日が4月26日となった。DESベースで落札された場合の仕向け地は、ブラジル、欧州、メキシコ、インド、パキスタン、シンガポール、中国および日本となった。使用される船舶は「ゴーラーアークティック」号(容量13万7,814立方メートル)。 |
|