石油化学=5月17~21日:エチレンが下落、誘導品採算低下による需要鈍化で
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は依然として高値圏で推移しているものの、前週からは大きく水準を切り下げた。米国のベンゼン相場が下落したことを受けた。米国では2月の寒波および停電による設備停止や、輸入品の到着が少ないため品薄感が強い。ただ、設備は再開しつつあるため、一時と比べ品薄感は後退しているもよう。北東アジア着のパラキシレン(PX)相場は軟調となった。原油やナフサなど原料コスト指標価格の動きを映した。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は弱含んだ。一部の誘導品で採算が低下しており、需要が減少したことを受けた。このほか、供給面では韓国で6月以降に新規のエチレン設備2基が稼働する見通し。当週の取引では成約が1,080~1,090ドルで聞かれた。
アジアのプロピレン相場はいずれも弱含んだ。
北東アジア市場では、中国で稼動停止していた設備が再開し、供給が回復した。これにより、需要家の買い気が後退した。一方、東南アジア品が北東アジア向けに流入し、需給引き締まり感が薄まった。こうした状況下、相場の基調が弱まった。
東南アジア市場では、需要家の多くがすでに6月までの買いを一巡している一方、メーカーに販売余力があるなか、供給に余剰感がある。こうした状況下、メーカーの販売意欲が強い。
アジアのブタジエン市場はいずれももち合った。
北東アジア市場では、6月着の交渉は一巡しつつあるなか、取引が低迷。先行き相場に不透明感があるなか、市況連動価格での交渉を希望する向きが多い。一方、米国相場が堅調に推移するなか、トレーダー筋がアジア品を域外向けに販売しようとする動きが見られる。
東南アジア市場では、タイPTTGCが6月積みの販売乳さ宇を実施した。また、メーカー1社が6月着の買付け入札を実施した。