LNG=6月7~11日:北東アジア着相場が続騰、CNOOCの大量買いで需給逼迫
DES北東アジア相場は強含んだ。商いの中心となる7月後半着が12.10~12.30ドルと先週末から1.25ドル上昇した。中国海洋石油(CNOOC)がこれまでに、7~8月着を少なくとも5~6カーゴ購入するなど大量調達たことで、期近着カーゴの品薄感が急速に強まった。欧ビトールなどトレーダーが断続的に買戻しに動くとともに中国、韓国向けの需要が極めて旺盛な半面、供給余力は減少傾向となった。ゴーゴンプロジェクトの第3液化系列(年産550万トン)など豪州のプロジェクトに加え、キャメロンプロジェクト(同1,350万トン)など米国の複数のプロジェクトでも生産障害が発生したことでスポット玉が減少し、需給の引き締まりが顕著となった。中国では、発電所向けのガス需要が増勢となった。広東省など華南を中心に気温が例年に比べ高く推移したことで、電力需要が急増。また雨量が全体的に少なく水力による発電量が伸びないなか、豪州出しの一般炭の相場がトンあたり120.00ドル近くに達するなど高騰したことで、火力発電設備向けに石炭を買い増すことが難しくなった。韓国でも、新古里原子力発電所の第4号機(出力95万kW)が火災の影響で運転を停止するなか気温の高い日が続いたため、LNGに対する追加需要が浮上した。
【FOB中東、DES南アジア、東南アジアおよび中東】 パキスタンLNG(PLL)は2日に締め切った買付け入札で、7月後半着から8月着計7カーゴを購入した。伊炭化水素公社ENIが7月17~18日着を10.6900ドル、英BPが7月28~29日着を10.2937ドル、カタールペトロリアムトレーディングが8月2~3日着を10.5200ドル、8月7~8日着を10.5100ドル、欧ビトールが8月12~13日着を10.8312ドル、8月17~18日着を10.7451ドル、スイスのDXTコモディティーズが8月27~28日着を10.6900ドルで落札した。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 DES欧州相場は、7月前後半着がいずれも9.80~10.00ドルと先週末から80セント続伸した。蘭TTF天然ガス市況が欧州の炭素排出権相場の上昇を受け強含んだことを受けた。北東アジアや南米向けの需要が旺盛なことから、欧州向けの供給減少が懸念されたことも買いを誘った。反面、ノルウェー産の欧州向けのパイプラインガスの供給は回復傾向となった。ガス田やパイプラインで実施されていたメンテナンスが順調に進んでいることが要因。
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