石油化学=6月7~11日:エチレン軟調、韓国の新規設備が稼働目前に
【アロマティクス】
北東アジアの芳香族製品相場は、原料コストの指標となる原油やナフサが堅調に推移したものの上値の重い展開となった。中国で大型の新規芳香族製品設備が稼働開始を目前にしていることや、米国の設備の稼働が2月の寒波から回復しつつあることから、需給の緩和感が意識されている。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は下落した。中国や韓国でのエチレン設備や誘導品設備の新増設により、供給の潤沢感が強まるとみられていることを受けた。このうち韓国では、LG化学とGSカルテックスが、いずれも6月中に新規エチレン設備の立ち上げを予定している。当週の取引では、中国に7月に到着するカーゴの成約が910ドルと925ドルで伝えられた。
アジアのプロピレン相場は、先安観から買い気が後退し、弱含んだ。
北東アジア市場では、中国と韓国で複数の新規設備が立ち上げを予定しているなか、先行きの供給に潤沢感が強まっている。こうした状況下、先安観から需要家の買い気が後退し、相場が下落した。
東南アジア市場では、タイPTTGCが7月積みの販売入札を実施した。また、フィリピンのメーカー1社も6月積みをスポット販売した。
アジアのブタジエン市場は強含んだ。
北東アジア市場では、欧米のブタジエン相場が堅調に推移するなか、アジア品が域外向けに販売されており、アジア域内の供給にも潤沢感が見られない。加えて合成ゴムとの格差が開いており、ブタジエン相場に割安感がある。こうした状況下、相場はじり高状態となった。
東南アジア市場では、メーカー1社が7月下旬積みの販売に出ていたが、成約に至らなかったもよう。