石油化学=6月28日~7月2日:エチレン上昇、新規設備の遅れで
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は大きく上昇した。このところの原油相場高に加え、中国での品薄感を受けた。品薄感の背景には域内での製油所の定修のほか、誘導品の稼働が好調なこと、韓国品の多くがこれまで中国ではなく米国向けに輸出されたことなどが挙げられている。パラキシレン(PX)相場は小幅水準が切り下がった。PTA先物相場が直近の高値から下がったことを受けた。PXとPTA相場との格差が縮小していることから、PTAの採算性が低下、稼働率が下がるのではないかといった声もみられた。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は強含んだ。韓国のGSカルテックスが保有する新規エチレン設備が6月27日から不具合のため停止しており、品薄感が意識された。市場関係者は同設備の動向に注目しており、商談に積極的ではない。
アジアのプロピレン相場は続伸。
北東アジア市場では、韓国のGSカルテックスの新規設備が立ち上げに失敗したことに加え、原料である原油およびナフサ市況が高値を維持していることもあり、売り手が強気姿勢を見せている。一方、日本向けに8月着も需要があるとの情報が流れ、相場の基調が強まった。
アジアのブタジエン相場は需給引き締まり感から強まった。
北東アジア市場では、米国向けの輸出が続いており、アジア域内で商談可能な玉が少ない。こうした状況下、FOBベース相場が上昇、売り手が仕入れコスト高を理由にアイデアを引き上げる動きが見られた。一方、域外品の売り物が見られないなか、台湾向けの需要が堅調に推移。これを受け、相場が強含んだ。