原油・コンデンセート=7月5~9日:サウジAL、8月OSPは80セント上げ
中東原油/コンデンセート サウジアラビア国営サウジアラムコが6日にアジアのターム契約者に通知した8月積みのOSPフォーミュラは、主力油種のアラブライト(AL)がドバイとオマーンの平均に対し2.70ドルのプレミアム。前月から80セント引き上げられた。インドや中国の堅調な需要を背景に、指標となるドバイペーパーのバックワーデーションが拡大したことを受け、サウジアラムコは値上げに動いたもよう。また、産油国による今後の減産緩和に対する不透明感が強まったことも背景にあると指摘されている。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」が、現行の減産幅の緩和に関して合意に至らず、5日に開いた会合を中止。この影響で、減産幅縮小の見通しに対する不透明感とともに先高観が強まったことも、サウジアラムコは考慮したのではないかとの見方が寄せられた。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 8月積みナイジェリア産ボニーライトとクアイボの市況連動相場が下落した。ブレントとドバイのEFSが拡大し、DTDブレントリンクのアフリカ産原油に割高感が強まっている。またアジアにおける製品の精製マージンが悪化していることも相場を押し下げた。クアイボやボニーライトの売唱えは、DTDブレントに対して1ドルのプレミアムまで引き下げられているようだ。先週末の市場では、同指標に対して1ドル台半ばかそれを上回る水準で売り唱えられていた。
南方原油/コンデンセート ベトナム産原油の9月積みの商いでは、同国の国営PVオイルが12日締め切りでチムサオの販売入札を開示した。対象は12~16日積みの30万バレル。応札の有効期限は15日。前回の8月積みのチムサオの入札では、豪アンポールがDTDブレントに対してDTDブレントに対して2.50~2.60ドルのプレミアムで手当てしていた。9月積みの見通しについて、北東アジアのプレーヤーは、「チムサオのプレミアムが8月よりも拡大するとは考えにくい」と述べた。その背景としてDTDブレントがドバイ市況などと比べ割高なうえ、このところの原油の絶対値の上昇で全体的な製油所のマージンが悪化しているとの見方を示した。 |