LNG=7月19~21日:北海道電力を始め日本企業がスポット購入を活発化
日本の公益エネルギー企業は、在庫補填を目的としたスポット購入に動いた。全国的に梅雨明けが例年に比べやや早まったことで、7月における電力需要がやや上振れしたことから、買付けを前倒しする企業が散見された。北海道ガスは7月中旬にかけて、価格は判然としないものの9月着1カーゴをスポット購入した。北海道電力も7月中旬に8月末着1カーゴをスポット調達していた。この他、北陸電力も8月末から9月着カーゴをスポット購入する可能性があるとして、トレーダーが関心を寄せた。北陸電力は、同社の敦賀石炭火力発電所2号機(出力70万kW)が7月15日から設備障害のため運転を停止しており、復旧状況次第では、代替としてLNGを購入する可能性が指摘された。
【FOB中東、DES南アジア、東南アジアおよび中東】 エジプト国営ガス会社(EGAS)が運営するエジプトのダミエッタプロジェクト(年産150万トン)の出荷量が今年に入り増加。2012年以来、出荷が途絶えていたものの、今年に入り月間1~4カーゴが出荷された。7月20日には、英BP所有のMEGI型「ブリテッシュアチーバー」号(容量17万3,400立方メートル)が1カーゴを積載した。エジプトではイドゥクプロジェクト(同720万トン)でも月間5カーゴ以上が出荷されるなど、昨年に比べ出荷は倍増。エジプトでは2014年以降、国内のガス需要を満たす目的でEGASが国産ガスを国内向けに充当してきたが、エジプトのゾールガス田やイスラエルのリバイアサンガス田など巨大ガス田における生産および供給が本格化したことから、EGASが国産ガスをLNGとして輸出する余力が増した。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 トルコ国営ボタシュは7月21日、8~12月に到着する計15カーゴを対象とした買付け入札を締め切った。ボタシュは今回の入札で、8~12月に各月、上旬、中旬、下旬にそれぞれ到着する1カーゴを購入する。またボタシュは今回、固定値か米ヘンリーハブ市況に連動した価格での応札を募った。応札価格の有効期限は23日。
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