電力=7月19~21日:本格的な夏到来で一段高、東で40円台など急伸
7月19~21日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は一段高。11日に四国で梅雨明けが発表され、全国的に梅雨明けとなった中、広い地域で猛暑となるなど高水準の冷房需要が続き、価格にも波及した。21日受渡では、買い入札量が過去最多の13億4,989万3,850kWhに達するなど、旺盛な買いが価格を押し上げた。さらに21日受渡では、連系線の故障も強材料となった可能性がある。 電力広域的運営推進機関によると、20日6時48分に東京-中部間を結ぶ飛騨信濃FCが故障で停止。これにより、20日8時以降の運用容量が通常時の210万kWから45万kW減の165万kWにとどまり、21日も終日運用容量が低下した状態が続くこととなった。 東日本では、21日受渡の16時~17時に34.47円および41.64円の高値を付けた。需要増加見通しに加え、前述の連系線故障が影響したと見られる。30円を超える価格を付けたことで、電力・ガス取引監視等委員会による旧一般電気事業者への売り入札量や需要見積もりに対する確認作業が入る見通しだ。同委員会では、20年度冬季の価格高騰の検証結果を踏まえ、電力スポット市場におけるコマ毎のシステムプライス、エリアプライス、時間前市場におけるコマ毎の平均価格のいずれかが、「30円以上」となった場合、旧一電に対し、売り入札量および買い入札量のデータチェックを行い、適切な投入が行われたか確認する。
週を通じた実勢高値は、21日に東日本で付けた41.64円、実勢安値は19日に9エリアおよびシステムプライスで付けた5.66円だった。 エリア別に24時間の19~21日の平均価格は、北海道が9.70円、東北と東京が9.71円、中部が9.09円、北陸、関西、中国、四国の4エリアが9.06円、九州が8.84円だった。
7月19~21日の9エリアの電力需要は86億482万kWhとなり、前週7月12~14日の78億144万8,000kWhから10.3%増加した。なお、曜日を合わせた前年の7月20~22日の需要実績は78億2,611万5,000kWhで、前年からの増加率は10.0%となった。
JEPXの先渡市場では、19日に3件の約定があった。いずれも関西エリアの週間昼間型(平日8~18時受渡)で、7月31日~8月6日受渡で16.50円が2MW、8月7~13日受渡で17.50円が2MW、8月14~20日受渡で18.00円が2MWだった。
7月19~21日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
7月19~21日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
4連休明けとなる7月26日の週も、西日本で猛暑が続く見通し。引き続き、高水準の冷房需要が見込まれ、スポット価格も強基調で推移しそうだ。東日本では、暑さが和らぐ見通しで関東の最高気温は30度前後の日が続くと見られる。このため、価格も今週に比べ軟調に推移すると見られるが、気温の変化や発電設備、連系線の不具合などが発生した場合、思わぬ高値を付ける可能性もある。 |