電力=7月26~30日:スポット市場は西高東低続く、約定量は過去最多を更新
7月26~30日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、引き続き西高東低の動きとなった。厳しい暑さが続く中、市場調達の動きは一段と強まり、買い入札量は29日受渡で過去最多となる13億7,867万800kWhに膨らんだ。こうした買い気の強さを映し、約定量も過去最多を更新する日が続き、30日受渡では11億591万5,450kWhに達した。ただ、こうした買い気の強さの割に、価格はスパイクの動きにはならず、一定量の売り札が継続的に投じられたことが要因と見られる。西日本では、最高気温が35度前後の地域が多くなったが、27日に関西電力の美浜原発3号機(定格出力82万6,000kW、PWR型、福井県美浜町)が、30日には大飯原発3号機(118万kW、PWR型、福井県おおい町)がそれぞれ営業運転となり、価格上昇を抑制する材料になったとの見方も示された。
週を通じた実勢高値は、30日に西日本で付けた17.01円、実勢安値は26日に9エリアおよびシステムプライスで付けた6.25円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道、東北、東京の東日本3エリアが8.96円、中部、北陸、関西、中国、四国の西日本5エリアが9.24円、九州が8.40円だった。
7月26~30日の9エリアの電力需要は139億5,507万6,000kWhとなり、前週7月19~23日の138億3,601万8,000kWhから0.9%増加した。なお、曜日を合わせた前年の7月27~31日の需要実績は124億7,439万8,000kWhで、前年からの増加率は11.9%となった。
JEPXの先渡市場では、28日に関西エリアの週間昼間型(平日8~18時受渡)で8件の約定があった。価格は8件すべて18.00円。8月14~20日受渡が5MW、2MW、10MW、2MWの4件、8月21~27日受渡が5MW、2MW、10MW、2MWの4件だった。
7月26~30日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
7月26~30日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
8月に入り、価格上昇への警戒は強まると見られる。先渡市場や先物市場では、7月に比べ一段高の約定が続いていることもあり、スポット市場の価格目線も高くなりそうだ。ただ、30円を超えた価格には、電力・ガス監視等委員会の調査が入るため、これが価格の上値を抑制する材料になるとの見方も聞かれている。 30日に2020年度のベースロード市場の取引結果が公表された。約定価格と約定量は、東京エリアが10.92円で6.6MW、関西エリアが9.47円で9.4MW、北海道エリアが11.53円で22.7MWだった。21年度の加重平均価格は、東京が7.50円、関西が6.22円、北海道が8.92円だったため、いずれのエリアも大幅高となった。約定量については、21年度の第1回目が東京で50.7MW、関西で55.5MWで、年度合計では東京が107.7MW、関西が212.8MWだったため、今回は約定量が急減した。一方、北海道は21年度の第1回目が4.9MWで、年度合計でも11.6MWだったため、今回の1回目の取引で21年度合計を超える約定量となった |