石油化学=8月9~13日:エチレン続落、需給緩和感で
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場は週前半に安く、後半に下げ幅を縮小した。原油相場の動きを受けた。パラキシレン相場は小幅安となった。原料コスト指標となる原油や、鄭州商品取引所のPTA先物相場安を受けた。中国で新型コロナウイルス感染が再拡大しており、川下のポリエステルの需要減退が懸念された。
【オレフィン】
北東アジア着のエチレン相場は、需給の緩和感を受けて下落した。このところ中国や韓国で新規のエチレン設備の立ち上げが続いており、供給は増加傾向にある。一方、中国の揚子江沿岸地域では新型コロナウイルスの感染拡大対策として船やトラックの運行が制限されている。このため、需要家の買い気は今後どの程度エチレンを受け入られるか不透明なため鈍化している。当週の商談では、中国向けの成約が930ドルと910ドルで聞かれた。
アジアのプロピレン相場は強含んだ。
アジアのプロピレン市場では、域外向けの輸出が多いなか、供給余剰感が解消された。一方、日本で一部設備が不具合で稼働率が下がっており、日本向けにスポット需要が出る可能性がある。加えて台湾向けでも買い気があるもよう。こうした状況下、相場の基調が強まった。しかし、中国需要家の買い気が依然として乏しいため、上げ幅は限定的。
東南アジア市場では、メーカー1社が8月後半積みの販売入札を実施した。
アジアのブタジエン相場はもち合った。
アジアのブタジエン市場では、品薄感があるなか、売り手は取引を急いでいない。一方、需要家は9月着の買いをほぼ終えており、輸入品に対する買い気が強くない。こうした状況下、様子見ムードが強まった。
東南アジア市場では、タイメーカー1社が9月積みの販売入札を実施した。