LNG=8月9~13日:日本の電力会社、秋口以降の在庫積み上がりを危惧
日本向けの商いでは、新たな引き合いが途絶えた。東北電力が10月着の買付けを検討した程度と、6~7月前半に比べ引き合いが減少した。JERAに限らず電力各社の多くはすでに、夏場着のLNGの調達にめどをつけた。日本では、7月中旬の梅雨明け後、気温が高い水準にとどまったことから、電力需要は全体的に好調。ただ関西では、美浜原発3号機(出力82.6万kW)、大飯原発3号機(同118万kW)が7月に運転を再開するとともに、各地で太陽光の出力が増加。また設備不良で一時運転を停止していた九州電力の松浦石炭火力発電所(同100万kW)が7月に運転を再開するなど、全体的に電力供給が潤沢となった。曇天となった13日の東京エリアにおける電力供給予備率は20%を上回るなど高い水準に達する日が続いた。日本企業は「政府の要請もあり電力各社はこれまで夏場に向けLNGの在庫積み上げを進めてきた。現状では逆に、需要の下振れ懸念により、各社が9月以降の在庫の過剰な積み上がりを危惧している」とした。
【FOB中東、DES南アジア、東南アジアおよび中東】 アラブ首長国連邦(UAE)のダス島プロジェクト(年産560万トン)では12日、TFDE型「セリバルハフ」号(容量15万7,720立方メートル)が入着し1カーゴを船積みした。今回のカーゴは、UAEのADNOC LNGが6月22日に締め切った入札で販売したものと見られる。「セリバルハフ」号は、仏トタルエナジースが長期傭船しており、同社が当該カーゴを引き取った。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 アルゼンチン国営IEASAは7月6日締めの入札で、8月19日、8月25日、9月4日、9月18日エスコバル基地(年間受入能力610万トン)着計4カーゴのパーシャル玉を購入以降、スポット購入を控えた。アルゼンチンでは日中の最高気温が10度前後と気温の低い日が多く、足元の暖房用のガス需要は堅調。ただ8月下旬から9月にかけては、20度前後まで気温が上昇するとの予報が出ていることから、発電燃料のLNGの需要が減少する公算が大きく、IEASAは新たにスポット玉を調達することなく、今冬のスポット買付けを終えるとの見方が有力となった。
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