電力=11月15~19日:東西ともに続伸、西の平均が20円台に
11月15~18日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに続伸。気温は過ごしやすい日が多かったものの、燃料高などを要因に発電設備の稼働抑制が続き、価格にも波及したと見られる。また、買い手もインバランスを避けるため、高めの価格で入札するケースが多くなっているとの指摘もあり、価格が強基調で推移する材料となったようだ。特に夜間価格での高値傾向が目立ち、複数コマで20円以上の価格が常態化している。17日受渡では北海道を除くエリアで朝7時に65.00円を付けるなど、異常な高値も見られた。西日本では、九州を除き15~19日の平均価格が20円を超える水準となるなど、11月としては過去にない高値傾向が続いている。
週を通じた実勢高値は17日の東北から九州で付けた65.00円、実勢安値は九州で15~19日に連日付けた0.01円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.13円高の15.96円、東北が0.45円安の17.25円、東京が同0.75円高の18.45円、中部と北陸が同0.64円高の20.10円、関西、中国、四国が同0.50円高の20.04円、九州が同0.69円高の17.86円だった。
11月15~18日の9エリアの電力需要はまる116億7,336万1,000kWhとなり、前週11月8~12日の114億5,725万1,000kWhから1.9%増加した。なお、曜日を合わせた前年の11月16~20日の需要実績は112億4,505万9,000kWhで、前年からの増加率は3.8%となった。
11月15~19日のJEPXの先渡市場では、約定がなかった。
11月15~19日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
11月15~19日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
11月第4週も、高値を維持する展開が続きそう。週明け22日の天気は、全国的に雨の予報で太陽光発電は期待できないため、昼間価格は底上げの動きが強まりそう。また、23日以降の天気は回復に向かう予報だが、西日本の最高気温が15度未満の地域が多くなる見通しで、暖房需要が増加傾向になると見られ、価格にも波及すると見られる。 さらに、注目は24日以降の価格で、東北電力が同日以降から限界費用の考え方を変更した売りを投入するため、スポット価格の水準がどう変化するか市場関係者の関心を集めそうだ。旧一般電気事業者による自主的取り組みとして、売り入札は需給上で発生した余剰の全量を限界費用で投入することが実施されている。東北電力では、これまで長期契約価格とスポット価格の調達済価格の加重平均を限界費用としてきたが、変更後は「スポット調達など追加的な調達を考慮した価格」を限界費用とする。変更後の売り価格は、燃料の需給状況がより明確に反映されるため、燃料の上昇時には売り価格も上昇し、燃料の下落時には売り価格も下落する仕組みとなる。このため、足元のガス価格や石炭価格が上昇している状況を見ると、売り価格は上昇傾向がより強まると見られ、スポット価格も一段高となる可能性がある。
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