電力=11月22~26日:東西ともに一段高、週初に東の複数コマで80円
11月22~26日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに一段高となった。22日には、東日本の日中時間帯で実質の上限価格となる80.00円が複数コマで並んだほか、西日本でも70円台を付けるなど一段高となり、24時間平均は東京で41.09円、関西で32.07円に達した。22日は、連休の谷間の平日となったことで、火力発電を抑制する動きが一段と強まり、売り入札量が9億kWhを割り込むなど急減、価格にも波及した。その後は軟化傾向となったものの、23日は祝日ながら9エリアで高値が30円超、24日は9エリアそろって高値が41.64円、25日は東日本の高値が54.29円など割高な価格が目立つ動きとなった。 24日からは当初、東北電力が限界費用の考え方を変更した売りを投入するとしていたが、「準備が整い次第」と変更され、先送りとなった。なお、JERAも24日に同様の方針を示し、今後足元の燃料動向を映す売り投入が実施される。JERAは新たな売り投入の実施日を、電力・ガス取引監視等委員会の確認が完了した以降としている。
週を通じた実勢高値は22日の東日本で付けた80.00円、実勢安値は26日の九州で付けた0.01円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比5.23円高の21.19円、東北が5.60円高の22.85円、東京が同4.40円高の22.85円、中部と北陸が同4.13円高の24.23円、関西、中国、四国が同4.19円高の24.23円、九州が同5.72円高の23.58円だった。
11月22~26日の9エリアの電力需要はまる120億5,683万7,000kWhとなり、前週11月15~19日の116億7,336万1,000kWhから3.3%増加した。なお、曜日を合わせた前年の11月23~27日の需要実績は115億6,420万3,000kWhで、前年からの増加率は4.3%となった。
11月22~26日のJEPXの先渡市場では、約定がなかった。
11月22~26日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
11月22~26日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
いよいよ12月の需要期に入る。12月からは、新たに機会費用入札が実施される予定のため、足元の燃料高を映し、売り投入される価格が一段高となる見通しだ。このため、約定価格も一段高で推移すると見られ、市場調達比率の高い事業者には厳しい事業運営を強いられることになりそう。なお、12月に入ると、定期点検などで停止中の火力発電の再開が増えるため、供給力は増加傾向となり、極端な高値は抑制されると見られるものの、寒波次第では高値が続く可能性もある。
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