原油・コンデンセート=2月21日~25日: 三菱が4月チムサオを電力向けに手当て
中東原油/コンデンセート インド国営石油(IOC)は23日に締め切った3月下旬~4月積み、4月着カーゴを対象とした買付け入札で、イラク産バスラミディアム、バスラヘビーおよびアブダビ産アッパーザクムを購入したとの情報が寄せられた。売り手はバスラミディアムが中国石油天然気(ペトロチャイナ)、バスラヘビーが欧トラフィギュラ、アッパーザクムが米エクソンモービルと伝えられた。これで、同社が2月中に購入した原油は合計で1,200万バレル以上になる。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 4月北東アジア着ロシア産ウラルの市況連動相場は、CFRベースでDTDブレントに対して95セント~1.05ドルのディスカウントと大幅安となった。ウクライナ情勢の緊張の高まりを背景に、欧州を中心とした需要家がロシア産原油の購入を敬遠する動きが強まった。また、欧州においてはサワー原油を処理する製油所の定期修理が多いことも、ウラルの需要後退につながっている。ウラルのFOBベースでの実勢相場はDTDブレント市況に対して7ドル前後のディスカウントとなっており、「北東アジア着のウラルの相場は同指標に対して1ドル前後のディスカウントまで切り下がっている」(シンガポールのトレーダー)。ただ、その後、他の油種と比べた割安感からインド勢がウラルの購入に動いた。
南方原油/コンデンセート 4月ベトナム産原油の商いでは、同国の国営PVオイルが15日に締め切ったチムサオの販売入札で対象の13~17日積みを三菱商事へ販売した。その後、同社は同カーゴを関西電力とみられる電力の生焚き用として手当てしていたことが判明した。同カーゴが日本に到着するのは4月末位とみられ、季節的に電力需要は減少するとみられるが、「液化天然ガス(LNG)などの供給が不安定なこともあり、バッファーとして原油を手当てしたようだ」と北東アジアの需要家は指摘した。実際、日本政府はウクライナ情勢の緊迫化を受け、米国政府の要請により日本が輸入しているLNGの一部を欧州へ融通する方針を明らかにしている。生焚き用の原油としては、インドネシア産原油がほとんど輸出されないため、今回チムサオを手当てしたとみられる。価格は既報のとおり、DTDブレントに対して7ドル台前半のプレミアムだった。
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