アジア石油製品=2月21~25日:ガソリンは軟化、東南アジアの需要減で
ガソリン 北東アジア積みガソリン(MR船型)の市況連動相場は切り下がった。東南アジアの需要が強さを欠いているため、トレーダーの買いが積極的ではない。韓国では石油1社が3月積み92RONガソリンMR船型をスポット販売した。価格はFOBベースでシンガポール市況(92RON)に対し1.25ドル近辺のディスカウントと伝えられた。中国の石油会社も3月積みの販売に着手しているものの、輸出は引き続き少ない見通しが強まっている。大連西太平洋石油化工(WEPEC)は23日、3月14~16日積みとして94RONガソリンMR船型の販売入札を締め切った。中国中化(シノケム)も先週、3月積みのスポット販売に出ていた。
ナフサ 北東アジアのスポット市場では、日本勢による買い気がみられる。三井化学は、4月前半大阪着ナフサ1カーゴの買付け入札を21日に開示した。一方、FOBベースの取引では、直近で中東石油会社が3月積み品を中東市況に対し60ドル程度のプレミアムで販売したとの情報がある。これに対しCFRベース取引では、石化メーカーが北東アジア着品を日本市況に対し少なくとも30ドル台のプレミアムで買い付ける余裕はないと、北東アジアの需要家は見方を寄せている。 ナフサクラッカー関連では、韓国のYNCCの第3装置は爆発事故の影響で、20日までに完全停止したとみられている。また、台湾中油(CPC)は、第4装置を23日から3月6~7日まで補修工事のため停止する見通し。
中間留分 北東アジア積み0.001%S軽油(MR船型)の市況連動相場は軟化傾向。シンガポール先物市場のバックワーデーションを背景に、買値が抑えられている。3月限と4月限の値差は引き続き2ドル超の4月限安となっており、相場の先安が強く意識されている状況だ。このなか、韓国の石油1社が3月21~25日積みの1カーゴをシンガポール市況対比5セントのディスカウントで販売した。日本では引き続きENEOSが3月積みの商談を行っているという。日本の石油会社は年度末である3月までに在庫水準を引き下げたい意向があるため、日本積みの売り物が市場に多く出ているとの指摘もあった。
重油 韓国積み0.5%S重油(MR船型)の市況連動相場はもち合い。北東アジアでは、多くの製油所が定修入りを控えているほか、トラブルの発生などにより供給が引き締まりつつある。台湾では、台湾中油(CPC)がこのところの悪天候の影響によって製油所の稼働を引き下げており、当面は低硫黄重油の販売も予定していないという。また、フォルモサ石油化学(FPCC)の麦寮製油所(日量54万バレル)で停止している水素化分解装置は、3月初めに稼働を再開する予定にあるものの、同時期に水素化脱硫装置(RDS)の定修入りを計画。定修明けする4月ころまで製油所の稼働は引き下げられるため、同社からの重油供給も限られるとみられる。
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