電力=2月21~25日:東西ともに前週比で下落、潤沢な太陽光で
2月21~25日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、東西ともに前週比で反落。真冬の気温動向が続いたものの、前週に比べ晴れ間の日が多くなったため、太陽光発電が潤沢となり、昼間主導で価格の下げ幅が大きくなった。特に九州では、曇りとなった23日を除き、平日ながら日中の複数コマで0.01円を付けた。九州電力の川内原発2号機(定格出力89万kW、PWR型、鹿児島県薩摩川内市)は、予定どおり21日から定期点検に入ったものの、価格動向に影響は見られなかった。定検明けは7月中旬の予定。
週を通じた実勢高値は60.00円となり、21日と22日の全9エリアとシステムプライスで付けた。一方、実勢安値は21日、22日、24日、25日の九州で付けた0.01円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比2.82円安の23.08円、東北が同4.25円安の23.19円、東京が同5.67円安の23.28円、中部が同2.15円安の23.30円、北陸、関西、中国、四国が同1.46円安の23.30円、九州が同0.28円安の16.95円だった。 売買入札量の週間平均は、前週比で売りが6.3%増の11億2,773万2,880kWh、買いが3.0%減の12億1,896万7,230kWhとなった。約定量の週間平均は、前週から0.5%減の9億7,409万4,290kWhだった。
2月21~25日の9エリアの電力需要は150億8,463万6,000kWhとなり、前週2月14~18日の148億8,633万1,000kWhから1.3%増加した。なお、曜日を合わせた前年の2月22~26日の需要実績は128億4,556万6,000kWhで、前年からの増加率は17.4%となった。
2月21~25日のJEPXの先渡市場では、約定が確認されなかった。
2月21~25日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
2月21~25日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
3月に入り、第一週の気温は一気に上昇傾向となるため、暖房需要は急減する見込み。このため、価格の上値も抑制傾向となり、スポット価格も軟化する動きとなりそう。ただ、3月に入ると、定期点検に入る火力発電が増えるほか、関西電力で稼働中の原発も定期点検に入るため、予備力は低下傾向となる。このため、突発的な気温低下や発電設備の不具合などが生じた場合、思わぬ高値を付ける可能性がある。さらに、足元では燃料高が続いている影響もあり、下げ余地は限られるとの見方も示され、ベース価格は先物価格の17円台程度で推移するとの見通しも出ている。
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