原油・コンデンセート=2月28日~3月4日: ウラル、買い手不在のなか売唱えが下落
中東 5月積みイラク産バスラミディアムの市況連動相場は、OSP指標に対して68~73セントのプレミアムに上昇した。緊迫しているウクライナ情勢を受け、需要家はウラルなどのロシア産原油の代替油種を調達する必要から、イラク産原油に対する需要が増加している。ブレント原油とドバイ原油のEFS拡大によってドバイ原油を指標価格とする中東産原油が割安に映ることも、プレミアムが拡大する要因となっている。イラク石油販売公社(SOMO)は2月24日に締め切った入札で、4月積みバスラミディアム200万バレルを販売した。この買い手がシェルだったとの情報が寄せられた。落札価格はOSP指標に対して70セント前後のプレミアムとみられている。
アフリカ・欧州・ロシア・アメリカ 5月北東アジア着ロシア産ウラルの市況連動相場は、CFRベースでDTDブレントに対して12.00~12.10ドルのディスカウントに下落した。ウクライナ情勢は緊迫した状態が続いており、収束の兆しがみられないなかで、需要家がロシア原油の購入を依然として避けている。一方、売り手はカーゴの消化のため、唱えを日々大幅に引き下げているものの、成約には至らない状況が続いている。欧トラフィギュラはバルト海積みの3月積み10万トンをDTDブレント指標に対して22ドル台後半のディスカウントで売り唱えたものの、買い手がつかなかった。北東アジア着の成約可能水準は、少なくともDTDブレント指標に対して12ドルを上回るディスカウントとみられている。
南方 4月積みマレーシア産原油の市況連動相場は、軒並み大幅高となった。ラブアンの市況連動相場は、DTDブレントに対して9.00~9.10ドルのプレミアムに上昇した。船積み運賃が上昇しており、マレーシア産の競合となる西アフリカ産原油の価格に割高感があるため、マレーシア産など南方産原油の需要は増加すると予想される。また、また、クライナ危機でロシア産原油の引き取りを敬遠する需要家が多いため、サハリン産ソコールなどの代替としての需要が出てくる可能性もある。4月積みのマレーシア産原油の商いはほぼ終了しているものの、「アフリカ産などアジア向けのアービトラージは閉じている。マレーシア産など南方産原油のセンチメントは極めて強い」とシンガポールのトレーダーは指摘した。「ラブアンの相場は、難なくDTDブレントに対して9.00ドルを超えてくるだろう」との見方を示した。
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