LNG=3月14~18日:日本の電力会社がスポット購入へ、石炭火力発電所の停止受け
東日本の一部電力会社が4月上旬着を含む期近着の買付けに動いた。3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震の影響で、石炭火力を中心に複数の火力発電所が停止となったことから、JERAと東北電力がLNGの買い増しを検討。JERAは期近着で少なくとも3カーゴを必要として、複数の供給者に買付けを打診しているとの情報が寄せられた。今回の地震では、東日本で14基計647万8,750kWが稼働を一時的に停止した。ENEOSの根岸ガス化複合発電所(出力43万1,450kW)など一部は17日に再開したものの、東北電力が運営する原町石炭火力1号機(同100万kW)と新仙台LNG火力3号系列1軸(同52万3,000kW)、JERAの広野石炭火力6号機(同60万kW×2基)、相馬共同火力発電の新地石炭火力発電所1号機(同100万kW)、仙台パワーステーションが東北エリアで運用する石炭火力(同11万2,000kW)、相馬エネルギーパーク合同会社の相馬石炭・バイオマス発電所(同11万2,000kW)、福島ガス発電の福島天然ガス1号機および2号機(同59万kW×2基)が稼働停止となった。このうち一部の福島県の一部の発電所では、電力供給に関して不可抗力条項の適用を宣言したようだ。原町石炭火力発電所など一部石炭火力の稼働停止期間は長期化する可能性が指摘された。
【FOB中東、DES南アジア、東南アジアおよび中東】 タイ石油公社(PTT)は、4月にマプタプット基地(年間受入能力1,070万トン)へ到着するカーゴを対象とした買付け入札を3月17日締め切りで開示した。4月22~23日、25~26日に到着するカーゴを対象とした今回の入札では、PTTが少なくとも1カーゴを購入する。PTTは昨年後半以降、ミャンマーからの天然ガスの供給不足を補う目的で、入札をとおしてLNGのスポット購入を活発化させた。ミャンマー出しの天然ガスの供給量が大きく落ち込んだうえ、国産ガスの生産量が減少したこともPTTによるスポット購入量の増加につながった。タイでは、30年以上稼働を続けるエラワンガス田やバンコットガス田など、ガス田の老朽化が進んでおり、天然ガスの国内生産が徐々に減少。このためPTTによるLNGのスポット需要は、しばらく高い水準にとどまるとの見方が強まった。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 2022年10~12月もしくは2023年1~3月に商業稼働を予定している米国のカルカシューパスプロジェクト(年産1,000万トン)では3月17日、3カーゴ目が出荷された。JERAが三井物産から借り受けているDFDE型「濃州丸」(容量18万立方メートル)に1カーゴが積み込まれ、欧州に向った。カルカシューパスプロジェクトで最初に積み出されたカーゴは、MEGI型「ヤニス」号(容量17万4,000立方メートル)がフランスのダンケルク基地(年間受入能力960万トン)へ運搬した。2カーゴ目はX-DF型「ビビットシティLNG」号(容量17万4,000立方メートル)に積み込まれ欧州に仕向けられた。
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