LNG=4月4~8日:北東アジアの需要家 、多くがサハリン2出しのスポット購入控える
露サハリンエナジーは5月6日、サハリン2プロジェクト(年産1,080万トン)で5月15日に船積みする1カーゴを対象とした販売入札を開示した。サハリンエナジーは今回の入札で、FOBベースに加えDESベースでも販売可能としている。応札の締め切りは8日。サハリン2プロジェクト出しに対しては、日本、台湾、韓国の需要家は、スポット購入を控える一方、中国企業の一部は条件次第で購入可能との方針を取っている。北東アジアの公益エネルギー企業はロシア産LNGの扱いについて「長期契約の購入は続けるものの、出荷停止や入港規制などの供給面に加え、支払い面でのリスクがありスポット購入は控える方向」とした。これらスポット購入を控える動きに加え、不需要期を迎え長期契約者の需要自体が減少に転じていることから、サハリンエナジーによる供給は増加傾向となった。
【FOB中東、DES南アジア、東南アジアおよび中東】 エジプト国営ガス公社(EGAS)が5日に締め切った4月29~30日にエジプトのイドゥクプロジェクト(年産720万トン)で船積みする1カーゴを対象とした販売入札は、欧州のグレンコアが30.00ドル前後で落札した。グレンコアは4月5~6日の市場で、4月下旬にイドゥク出しのカーゴを輸送する目的で1隻の傭船に動いた。グレンコアは、EGASが実施した今回の入札で落札したカーゴを欧州へ仕向ける意向と見られた。欧系トレーダーは「地中海側で操業するイドゥクプロジェクトをスポット購入するポートフォリオプレーヤーの多くは、スエズ運河を通らず供給できる北西欧州へカーゴを仕向けるケースが大半」と伝えた。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 2020年9月末にタービンで発生した火災の影響で稼働停止しているスノービットプロジェクト(年産420万トン)は、5月31日に稼働再開を予定。当初は3月31日に再開予定だったが、新型コロナの影響で修繕作業を行う作業員を十分に確保できなかった。スノービットプロジェクトを運営するノルウェーの資源開発大手エクイノールが延期を決めた。再開後は欧州向けの供給が増加すると見られた。
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