電力=8月8~12日:前週比で東が大幅安も西は上昇、分断動向が影響
8月8~12日受渡の電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本が大幅安となった一方、西日本が上昇した。8~10日は各地で厳しい暑さとなったものの、東日本では前週のような200円を付ける動きにはならなかったことで、前週対比での下げ幅も大きくなった。また、前週に比べ市場分断が減少したことも、割高な東日本の価格を下押す要因となったが、対照的に西日本は上昇した。なお、山の日で祝日となった11日以降は、旧盆休暇に入るメーカーなども増えたため、厳しい暑さが続くなかでも11~12日の価格は上値が抑えられた。
燃料相場は、LNGの北東アジア着相場が軟化傾向となり、週後半は期近物でmmBtuあたり45ドル前後となった。豪ニューキャッスル積みの一般炭相場も、週前半に期近物が350ドル程度まで下げたが、その後再び騰勢を強め、週後半には再び400ドルを超えた。原油価格は、WTIの期近物が90ドル前後で推移した。
週を通じた実勢高値は、9日の北海道、東北、東京の東日本3エリアで付けた82.00円となった。実勢安値は、11日の北海道と東北で付けた0.01円だった。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比11.93円安の31.05円、東北が同17.36円安の31.26円、東京が同15.88円安の35.17円、中部が同4.58円安の30.60円、北陸、関西、中国が同3.84円高の29.02円、四国が同4.27円高の29.02円、九州が同2.00円高の15.15円だった。 売買入札量の週間平均は、前週比で売りが4.2%増の11億3,977万9,100kWh、買いが2.2%減の11億9,722万8,410kWhとなった。約定量の週間平均は、前週から0.5%増の9億9,035万5,560kWhだった。
8月8~12日の9エリアの電力需要は141億5,448万7,000kWhとなり、前週8月1~5日の146億7,964万9,000kWhから3.6%減少した。なお、曜日を合わせた前年の8月9~13日の需要実績は115億3,119万kWhで、前年からの増加率は22.7%となった。
8月8~12日のJEPXの先渡市場では約定がなかった。
8月8~12日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
8月8~12日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
8月第3週は、旧盆休暇に入ったメーカーなどが多いため、電力需要も減少傾向となり、電力スポットの上値も抑制されそう。ただ、週半ばごろまでは猛暑の地域が多いため、発電設備のトラブルなどが生じた場合、思わぬ高値を付ける可能性もある。
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