LNG=9月26~30日:複数の需要家が長期契約玉の転売に動く
【DES北東アジア】 北東アジア着市場では、複数のスポット玉が見られるなど、供給は潤沢となった。米シェブロンが豪ゴーゴンプロジェクト出し(年産1,650万トン)の1カーゴを11月12~14日北東アジア着ベースで販売を打診した。加えて、余剰玉を抱える一部の需要家もスポット市場での転売に動いた。関西電力は9月29日に、北東アジア着のDESベースで開示していた販売入札の応札を締め切った。対象は豪プルートプロジェクト(同490万トン)出しの11月着1カーゴと、オーストラリアパシフィックLNGプロジェクト(APLNG、同900万トン)出しの12月21~23日着1カーゴ。このほか、中国の大手独立系エネルギー企業新奥集団(ENN)が、11~12月積みの長期契約玉の転売を検討した。 【FOB中東、DES南アジアおよび中東】 エジプト国営ガス会社(EGAS)は9月27日、10月上旬積み合計2カーゴの販売入札を締め切った。10月3~4日イドゥクプロジェクト(年産750万トン)積みと、同4~5日ダミエッタプロジェクト(同500万トン)積みが対象となった。EGASが入札を通してイドゥクプロジェクト積みを販売するのは、およそ3カ月ぶりとなった。前回のイドゥクプロジェクト積みの販売入札は6月15日に締め切られ、6月23~25日積みが対象だった。 【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 大西洋圏出しの商いでは、米フリーポートプロジェクト(年産1,500万トン)の生産再開の時期に対する関心が強まった。フリーポートLNGは以前、生産量は11月末までに公称生産能力に対して85%前後まで回復すると伝えていたが、欧系トレーダーを始め市場関係者の多くは、生産量の回復は12月下旬へとずれ込むとの見方を強めた。生産再開時期の遅れを見越した一部のプレーヤーは、フリーポートで10~11月に船積みする予定だった一部船舶の貸し出しに動いた。欧系トレーダーは「欧州ではLNGを含むガス在庫が急ピッチで積み上がっているが、冬場の需要期を前にフリーポートプロジェクトの生産再開が大きく遅れれば今後、欧州でLNGの需給タイト感が強まる」と指摘した。 |