LNG=3月13~17日:仏基地のストライキでLNGの仕向け地が変更に
フランスでLNGの受け入れ荷揚げに遅れが発生した。年金支給の開始年齢の引き上げに反対するデモやストライキが長期化している影響を受けたもので、LNGの受け入れ基地の操業が停止した。フランスでは3月5日、ダンケルク(Dunkerque)基地(年間受入能力960万トン)でLNGが荷揚げされたのを最後に、すべての基地で受入れが止まった。モントワール基地(年間受入能力800万トン)、フォスカヴォー(Fos Cavaou)基地(同680万トン)、フォストンキン(Fos Tonkin)基地(同120万トン)で実施されたストライキは、3月21日まで延長されることとなった。これらフランスにおけるLNGの受け入れ停止措置を受け、少なくとも7カーゴが英国、オランダ、スペインなどに仕向け地の変更を余儀なくされた。「(隣国に転売される場合は)スペインやベルギーは受入れ基地の規模の問題からLNGの引き取りに積極的ではないため、売り手は価格を下げざるを得なくなった」(日本企業)との声が聞かれた。
【DES北東アジア】 関西電力は、石炭とバイオマスの木質ペレットを燃料とする舞鶴発電所で火災が発生したため、3月14日から2号機(出力90万kW)の稼働を停止した。ただ、関西電力はLNGのスポット調達に動いた様子は見られなかった。市場では「むしろ供給過剰な状態が改善される」(日本企業)との声が聞かれた。
【FOB中東、DES南アジア、東南アジアおよび中東】 インド国営石油(IOC)が3月22日締めでDESベースの買い付け入札を開示した。対象は2023年6月~2024年5月着合計8カーゴ。仏トタルエナジーズとインドのエネルギーインフラ企業アダニグループがインド東海岸において建設中で、今春に操業を始める見通しのダムラ基地(年間受入能力500万トン)向け。今回の入札で購入するカーゴが最初の受け入れとなる可能性が高い。IOCはダムラ基地にLNGを持ち込み再ガス化する20年契約をアダニグループと結んでおり、年間300万トンを再ガス化できる。
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