原油・コンデンセート=7月31日~8月4日:米国産のアジア向け成約が増加
中東原油/コンデンセート アラブ首長国連邦(UAE)のADNOCは3日、マ-バンをはじめとしたアブダビ産原油のアジアの契約者向けとなる9月積みの公式販売価格(OSP)を通知した。マーバンのOSPは、ICEアブダビ先物取引所(IFAD)の2023年9月限マーバンのシンガポールマーカー価格の月間平均値である80.78ドルとなった。ADNOCが今回確定した9月積みのOSPのうち、アッパーザクムについて割高と評価する長期契約者が目立った。ADNOCは、9月積みアッパーザクムのOSPを80.78ドルに確定し、マーバン対比で同水準へと引き上げた。シンガポールのトレーダーは9月積みアッパーザクムのOSPについて「実勢相場から判断すると、マーバンに対して30~50セント低い水準が妥当。10月積みの成約可能水準も同様」と指摘している。長期契約者の多くは、9月積みアッパーザクムとマーバンのOSP格差は8月に比べ縮小すると見込んではいたものの「流石にマーバンと同水準は割高」(北東アジアのエネルギー企業)としている。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 11月着の米国産原油のアジア向けの商いでは、商いの序盤戦にもかかわらず、既に多数の成約が具現化している。競合となるアブダビ産マーバンなどど比べた割安感から購入を前倒しにする需要家が目立つ。韓国のSKエナジーは既報のとおり、11月着としてVLCC2隻分(計400万バレル)を手当てしている。このうち、SKは既報のWTIミッドランドに加えて、WTIライト(WTL)とイーグルフォード50も購入していたようだ。米国産原油のアジア向けの商いで、韓国勢だけでVLCC6隻分が既に成約されている。さらに、エクソンモービルがタイとシンガポールの自社製油所向けに計VLCC3隻分、中国国際連合石油化工(UNIPEC) がVLCC2隻、PTTがVLCC1隻を購入している。東南アジアの需要家は、11月着の米国産原油の追加の成約はまだ聞かれそうと指摘している。
南方原油/コンデンセート 10月ブルネイ産の商いでは、ブルネイエナジーサービスがセリアライトの販売入札を開示した。7日応札の締め切り、8日有効期限で実施されるこの入札の対象は10月末積み1カーゴ。同社は通常、セリアライトをターム供給するため、同油種のスポット販売を殆ど実施しない。インドネシア国営のプルタミナが7月着スィート原油の買い付け入札を通じて、6月積みブルネイ産セリアライト60万バレルを欧グレンコアからDTDブレントに対して6ドル台のプレミアムで調達した。これ以降、セリアライトのスポット成約は聞かれなかった。
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