LNG=8月28日~9月1日:豪スト懸念も、アジアの需要家は転売
【DES北東アジア】 豪LNGプロジェクトの労働争議は豪ウッドサイドが運営するプロジェクトでは解決した一方で、米シェブロンが運営するプロジェクトでは継続している。しかしながら、残っているストライキも最終的に回避されるとみている市場関係者が多い。 こうした中、北東アジアの需要家がスポット市場での転売に動いている。中国石油天然気(ペトロチャイナ)は29日、10月1~3日着を10月限の蘭TTF市況に対して55セントのプレミアムで欧ビトールに販売した。中国国内の需要が鈍いなか、ペトロチャイナは同荷姿の輸入を嫌気したとみられている。加えて、韓国の民間企業のなかにも11月着の転売を検討している向きがいるもよう。「韓国の民間企業は在庫水準が高いため、価格が上昇した時を狙って販売入札を仕掛けてくる」と韓国需要家はみている。一方、豪ダーウィンLNGが24日応札の締め切りで開示していた販売入札は、ポートフォリオプレーヤーがJERAへの供給含みで13ドル台前半で落札した。対象は9月1~8日ダーウィンプロジェクト(年産370万トン)積みだった。 【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 南アジアでは、インド国営ガス会社(GAIL)が28日応札の締め切りで開示していた買い付け入札は、9月16~25日ダヘジ基地(年間受入能力1,750万トン)着が12.00ドル前後で落札された。GAILは既報のとおり、24日締めの買い付け入札でも9月16~25日着を11.50~11.90ドルで手当てしていた。中東では オマーンLNGが英シェル、およびオマーン国営石油会社OQのトレーディング子会社OQTとそれぞれ長期契約を結んだ。シェルとの契約は2025年起こしの10年で、数量は年間80万トン。一方、OQTとの契約は2026年起こしの4年契約で、数量は年間75万トン。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 ブラジル向けのスポット需要は弱い。南米はこのところ、エルニーニョ現象の影響で降水量が減少しているが、ブラジルは雨期の降水量が多かったため、水力発電の出力が大きく低下する状況にはないようだ。国営ペトロブラスは「12月着までのスポット購入は控える予定。1月着以降に関しても、今年の雨期の降水量を見てから検討する」と伝えている。欧州では、スペインに続いてポルトガルも天然ガス在庫が貯蔵能力に対し100%に到達した。
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