LNG=9月4日~8日:豪州でスト実施へ
【DES北東アジア】 ウィートストーンプロジェクトとゴーゴンプロジェクトでストライキが実施されることとなった。既報のとおり、労働組合はストライキの決行日を8日に延期するなど、運営者の米シェブロンと交渉を続けていた。両者の協議は進展しているとの見方からストライキは回避されるとの期待感が強まっていたが、交渉は合意に至ることなく終了することになったもよう。ストライキは8日から14日まで行われる予定。ゴーゴンプロジェクトとウィートストーンプロジェクトの液化施設では、9日は最大11時間、10~13日は最大10時間ストライキが決行される。また、ウィートストーンプロジェクトのガス田など上流施設でも、9~13日は最大4時間、14日は最大1時間ストライキが決行されるようだ。ただ、労働者がストライキを行っている間も施設の操業は続けられる公算が大きく、LNG出荷も予定通り行われる見通し。このため直ちに供給が削減される可能性は低く、市場関係者は様子見に徹する意向のようだ。ポートフォリオプレーヤーや需要家がスポット玉を物色する様子は見られず、商いは低調だ。多くのプレーヤーは高在庫を抱えているため、現時点で冬場に向けた在庫の積み増し需要は限定的だ。このなか、英シェルは5日、10月10~12日着を10月限の北東アジア着のスポット市況に対して5セントのディスカウントでJERAもしくはJERAGMに販売した。JERAはスポット調達に消極的と伝えられているため、JERAGMが転売を前提に購入した可能性があるもよう。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 インドでは、グジャラット州石油会社(GSPC)は4日に応札を締め切ったDESベース買い付け入札で、9月26日~10月31日着の1カーゴを購入した。落札価格は12ドル台半ばだったとの情報が寄せられた。仕向け先はダヘジ基地(年間受入能力1,750万トン)あるいはムンドラ基地(同540万トン)。また、インド国営ガス会社(GAIL)も4日に応札を締め切ったDESベースの買い付け入札で、9月16~27日ダヘジ基地(同1,750万トン)着の1カーゴを購入した。中東では、クウェート国営石油(KPC)は31日に応札を締め切ったDESベースの買い付け入札で、9月22~30日着1カーゴを購入した。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 積み日など詳細は不明ながら、アルジェリア国営ソナトラックが5日応札の締め切りで開示したFOBベースの入札を通じ、1カーゴを9.50ドル前後で販売したもよう。このカーゴは欧州に仕向けられる見通しだ。加えて、ナイジェリアLNGも5日応札の締め切りで販売入札を開示していたようだ。アルゼンチンでは南半球での冬季の終盤に入り、需要は後退。現時点で9月に入着が予定されているカーゴはエスコバル基地(年間受入能力610万トン)へ8日に到着するサビンパスプロジェクト(年産3,000万トン)出しのパーシャルカーゴのみに限られている。今年は暖冬だったことで、冬場全体を通じてもLNGの輸入は低水準にとどまった。アルゼンチン国営IEASAは既報のとおり、8月に2カーゴの引き取りをキャンセルしている。
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