国内石油製品=9月11~15日:陸上ガソリン、いったん底打ちへ
8月下旬に補助金の延長と増額が発表され、月変わり後は一気に売りが加速したガソリンは、ここにきていったん底打ち機運が広がった。特に在庫玉の放出から踏み込んでいた二次基地玉が様子見に移行したため、製油所玉との価格競争が緩和された格好となった。もっとも、10月以降は補助金の更なる増額から小売価格の一段の下げが濃厚とされ、卸市況も下げトレンドの中にあることに変わりはない。
政府はレギュラーガソリン小売価格を9月中に180円程度、10月以降は175円程度まで抑制する方針を発表しており、地区によってはすでに175円前後、激戦区では実質160円台まで値下がりしているところもある。資源エネルギー庁がまとめた11日現在の全国レギュラーガソリン小売価格は前週比1.7円安の184.8円と、18週ぶりの値下がり。第3週の製油所出しガソリンは千葉が前週比1.7円安の136.2円、阪神が同1.6円安の135.4円で終えている。政府から元売りや輸入業者へ支給される増額された補助金が卸価格の引き下げにつながり、ひいては小売価格の抑制にも一定の効果が出始めていると言えよう。
全国的に残暑が厳しいなか、今後は秋の行楽シーズンに向け、小売価格の軟化はガソリン需要増に繋がりそうだ。複数の小売業者によると、9月入り後の小売販売は前年並み、ないしは小幅減販にとどまり、大きな減販を伝える声は今のところ少ない。
ガソリンの小売動向が話題となりやすいが、次の関心事は今冬に向けた灯油の動き。北海道や東北地区、さらに富士山などの山間部では今月下旬から10月にかけて初雪が観測される時期に入る。現行の補助金制度は12月31日までの期限だが、すでに政府内では3月までの延長も視野に入っているようだ。その場合、制度の維持か、何らかの修正が入るのかが注目材料となる。