LNG=9月18~22日:豪スト合意へ、取引活況
【DES北東アジア】 豪州のLNGプロジェクトで生じていた労働争議が合意に近づき、近く相場に下方圧力を加えるとの見方も寄せられている。このなか、スポット市場では、取引が活発化している。価格や売り手などの詳細は明らかになっていないものの、関西電力が21日に応札を締め切った買い付け入札を通じ、10月1~15日着カーゴを購入したとの情報が寄せられた。韓国の需要家のなかにも冬場着の手当てに関心を示す向きがいるようだ。日本商社によると、このうち韓国ガス公社(KOGAS)はすでにカーゴを購入した可能性があるという。中国では既報のとおり、中国国際連合石化(ユニペック)が15日に応札を締め切った入札で、2023年10月~2024年12月着を欧ビトール、欧グレンコア、英シェル、英BPおよびADNOCガスから購入した。その後の調べで、独RWE、独SEFE、ノルウェーのエクイノール、欧トラフィギュラ、豪ウッドサイド、インド国営ペトロネット、アゼルバイジャン国営ソカールもこの入札でUNIPECに販売していたと伝えられた。落札価格はすべて北東アジア着のスポット市況に対してプレミアム圏だった。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 インドでは、インドの需要家による10月後半着カーゴの購入が続いている。インド国営ガス会社(GAIL)は19日、DESベースで開示していた買い付け入札の応札を締め切った。対象は10月19~31日ダホール基地(同500万トン)着の1カーゴだった。一方、インド国営石油(IOC)は既報のとおり、18日に応札を締め切った買い付け入札で、ダヘジ基地(年間受入能力1,750万トン)着の1カーゴを12.70ドルで購入した。アラブ首長国連邦(UAE)におけるガス需要は当面は旺盛に推移するとみられている。ドバイにおける今後10日間の最高気温は37~42度と例年並みの水準が予想されており、冷房用電力の高水準の消費とともに天然ガスの安定した需要が見込めそうだ。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州では11月前半北西欧州着の商談水準は11月限の蘭天然ガス(TTF)市況に対し、1.50ドル前後のディスカウントと伝えられている。欧州着市場では「天然ガス在庫の高さが依然として意識されている」(大手商社)。コロンビアでは国営カラマリLNGがこのところ、9月下旬~10月上旬着1カーゴを購入したもよう。このカーゴは2港揚げになるとみられている。同国ではエルニーニョの影響で雨量が減少し、一部の地域でダムの貯水率が低下していたため、火力発電用のLNG調達に動く可能性が指摘されていた。
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