LNG=9月25~29日:商談水準、需要期入りで「14ドル台が底」
【DES北東アジア】 スポット市場では商談の中心が需要期に移行していくため、日本商社は「今後の商談水準は14ドル台が底値」との見方を示した。日本の電力用LNG在庫が減少していることから、一部の電力会社はスポット玉を買い付けるだけの十分なタンクスペースがあるとみられている。このなか、日本の電力会社1社が9月26日応札の締め切りで買い付け入札を開示し、10月着を購入したと伝えられた。JERAや関西電力がスポット調達に関心を示しており、両社のいずれかが買い手だった可能性があると市場関係者はみている。長期契約に関する交渉も進展している。北海道ガスは9月26日に長期契約玉の買い付け入札に対する応札を締め切った。対象は2027年起こし最低5年の年間3~4カーゴ。数量が限られており、北海道ガスがリッチカーゴを希望していることから、「売り手の食指が動きにくかった可能性はある」と欧プレーヤーは指摘した。一方、東京ガスは8月以降、2025年起こし年間3~4カーゴを対象に、供給業者との交渉を進めている様子。同社はここ5年ほど新規の長期契約締結を控えていたが、マレーシアのビントゥルプロジェクト(年産2,930万トン)のうち、ティガプロジェクト(同680万トン)の20年契約が2024年に、ドゥアプロジェクト(同960万トン)の10年契約が2025年にそれぞれ期限切れを迎えることから、新しい供給元を探しているようだ。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 インドの需要は旺盛で、需要家は継続的に買い付け入札を開示している。モンスーン入り後の7月以降の雨量が前年を下回っていることで、水力による電力の供給が伸びなかったため、ガス火力によって補う必要があったことが一因として挙げられている。アラブ首長国連邦(UAE)のダス島プロジェクト(年産560万トン)の出荷が増勢。現時点で9月に出荷されたダス島プロジェクト出しは約45万トンと前月より20%程度多い。9月は生産トラブルが発生しなかったことが要因とみられる。同プロジェクト出しの大半はインドや北東アジアに輸出されている。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州では暖冬になるとみる向きが多い。「暖房用の需要が低迷し、市場心理が弱気に傾いている」(日本企業)。ガスインフラストラクチャーヨーロッパによると、欧州の天然ガス在庫は9月26日時点で貯蔵能力の95.19%。今週に入り95%を超え、依然として増加傾向をたどっている。アルゼンチンのLNG輸入に回復はみられない。同国の9月の輸入は9日にエスコバル基地(年間受入能力610万トン)に入着したサビンパスプロジェクト(年産3,000万トン)出しのパーシャルカーゴのみに限られそうだ。
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