LNG=11月20~24日:潤沢なスポット供給続く
DES北東アジア相場では先週、1月後半着は16ドル台前半まで切り下がった。売り手の数が漸増しており、スポット供給は潤沢だ。独RWEは1月上旬着を2カーゴ販売可能。丸紅と欧マーキュリアも1月前半着の販売意欲を示している。これらの売り手は唱えを1月限の蘭天然ガス(TTF)市況に対して2.10~2.50ドルのプレミアムで寄せた。1月後半着でも売り手が見えている。欧ガンボーと独ユニパーは1月下旬着を1月限の北東アジア着のスポット市況に対してディスカウント圏~フラットで販売可能だ。欧ビトールは1月中旬中国着の買唱えを1月限の北東アジア着のスポット市況に対して1.00ドルのディスカウントで提示している一方で、1月中旬北東アジア着を1月限の北東アジア着のスポット市況に対して15セントのディスカウントで売り唱えている。このほか、関西電力が20~21日に1月上旬着を1月限の北東アジア着のスポット市況に対して70セントのディスカウントで販売したとみられているのは既報どおり。同社は今週前半に1月22日着も、1月限の北東アジア着のスポット市況に対して20セントのディスカウントで販売したと伝えられている。
需要面では中国勢は旧正月を控えて買い付けに消極的だ。中国は2月10日に旧正月休暇を迎えるが、その前後2~3週間は工場が操業を停止するため、主に工業用のガス需要が落ち込む見通しだ。加えて、地方への帰省者が増えるため、ローリートラックの運転手不足にも陥ると中国需要家はみている。「国内相場が急騰すればドライバーは都市部に残ってくれるかもしれないが、天然ガスの潤沢な供給を考えると、今年はそうした事態を想定しにくい」(中国需要家)。このため、中国需要家の大半は在庫を適正水準に保つことに注力しており、スポット調達には消極的な状況だ。中国需要家によると、北東アジア着相場が12.00~13.00ドルまで下がらない限り、買い意欲は刺激されないという
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 インド国営ペトロネットは11月28日締めで買い付け入札を行う。対象は12月後半にダヘジ基地(年間受入能力1,750万トン)に到着となる1カーゴ。中東では国営オマーンLNGが英BPと2026年起こしの9年契約を締結したようだ。数量は年間100万トンと伝えられた。価格は明らかとなっていないが「ブレント原油市況に連動した価格だろう」(日本企業)との指摘が寄せられている。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州委員会は2月に始まった天然ガスの価格上限規制を1年延長する方向で、欧州連合(EU)加盟国間の調整に入った。同規制はTTF市場のガス価格が3日連続で英百万熱量単位(mmBtu)あたり約50ドルを超えた場合に、TTF市場の先物取引を禁じ、域内の価格の上限を設ける内容だ。ただ、ドイツなど一部の国は価格上限を設けるとLNGの輸入が進まなくなるとして、反対しているもようだ。南米ではチリの11月1~20日の発電用のガスの消費量は42万1,000立方メートルと、前年同期の41.0%にとどまっている。
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