LPG=11月20~24日:原油高で上昇も、需給緩和感強く
CFR極東:
先週の極東着市場は、原油高で小幅に上昇した。しかし、売り手の多さから需給に緩和感があると市場関係者は指摘する。Rim Asia Indexは22日時点で、プロパンが682.25ドルと17日比2.00ドル高、ブタンは703.25ドルと同7.00ドル高となった。CP予想上のプロパンとブタンの格差が広がったことから、ブタンの上げ幅はプロパンのそれを上回った。米国産カーゴの流入が多いとみられており、複数の売り手がプロパン単体を販売可能だ。一方、中国プレーヤーを中心に買い気は振るわない。カナダの供給業者1社は12月米ファーンデール積みプロパン4万6,000トンを抱えていたが、日本元売り2社にそれぞれ12月後半着プロパン2万3,000トンとして販売したとみられる。
FOB中東:
12月CPはプロパン600ドル、ブタン615ドル前後と予想されている。中東出しプロパン単体の需要がブタン付きカーゴより弱いため、12月CP予想上のブタンとプロパンの格差は15ドルに拡大すべきとの見方も聞かれている。インドのバハラット石油(BPCL)は21日応札の締め切り、23日応札の有効期限で実施した買い付け入札を通じ、12月積みプロパン/ブタン各2万2,500トンをFOB中東ベースで購入したもよう。落札価格は12月CP対比1けた台半ば~後半のプレミアムで伝えられた。市場関係者によると、この入札後も、12月積みで同荷姿の買い手がスポット市場に見えているという。さらに、1月は中東産ガス社が定修を実施するとみられており、需給は引き締まるとの観測が伝えられた。
日本国内:
11月渡しの京浜の陸上相場はプロパンが94,700~95,000円と横ばい。仮需の発生が期待されているものの、買い手は様子見姿勢に徹している様子。12月CP予想の下方修正に伴い、元売り各社の12月仕切り価格が11月仕切り価格を下回る可能性があるとみられ、先安観が広がっていることが背景にある。ブタンは102,500~103,000円と前週から小幅上昇した。ブタンの売りものが多くなく、供給タイト感を映した。12月渡しでは、元売り1社が12月CP確定前のスポット供給価格を提示した。