石油化学=11月27日~12月1日:芳香族製品、原油安受け一時大幅安
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場、北東アジア着のパラキシレン(PX)相場は原油安に連動し、週前半に大幅安となる場面がみられた。その後、原油相場の持ち直しを受け下げ幅を圧縮する動きもみられたが、総じて下げ基調での推移となっている。ベンゼンでは誘導品の稼働率の低下も弱材料に挙げられた。PXではガソリンシーズンを過ぎたことで供給が増加傾向にある一方、ポリエスエルが不需要期となっており需給に緩和感があるようだ。
【オレフィン】
北東アジアのエチレン市場では、2024年の長期契約交渉が続いているため、スポットの取引は全体的に低調となった。ただ、中国から買い気が見られるとの情報も寄せられた。パナマ運河の通航制限に伴い、米国からアジア向けのエタンの運搬に遅れが生じている。このなか中国にあるエタンクラッカーの稼働が低下しており、エチレンの不足が生じたことから、買い気が促されたとみられている。
北東アジア着のプロピレン相場に動きはみられず。韓国メーカーの多くが2024年の長期供給契約の交渉を行っており、スポット商談は静かとなっている。中国では不採算や設備の不具合などを理由にプロパン脱水素(PDH)設備の稼働調整が行われている。一方で新規設備の立ち上げなどにより生産能力は増加しており、供給圧力は依然として強い状況が続いている。
東南アジア市場は静かとなった。ペンゲラン石油精製・石油化学(PRefChem)が30日の締め切りで12月4~5日積みの冷凍品5,000トンを対象に販売入札を行った。
北東アジア着のブタジエンの取引は12月品の商談が一巡しており活発さを欠いた展開となった。1月着では欧州品2,000~2,500トンが交渉可能との情報も寄せられている。このカーゴの売りアイデアは975ドルで提示されているようだが、成約されたかは判然としない。