LNG=12月4日~8日:台湾やフィリピンから新規需要
DES北東アジア相場は先週、期近の1月後半着の商談水準は一時14.70ドル前後に切り下がり、2月前後半着も連動した。潤沢な供給が相場を押し下げた。軟調な蘭天然ガス(TTF)市況も下落要因。1月後半着の商談水準は14.70ドル前後に切り下がり、2月前後半着も連動した。市場には少なくとも1月後半着で7カーゴが販売可能と伝えられている。買い戻し需要を抱えるトレーダー勢が散見されるものの、供給過剰感はぬぐえない状況だ。欧ビトール、英シェル、丸紅、三菱商事のトレーディング子会社DGI、サウジアラムコ、ペトロチャイナが販売に関心を示している。このうちDGIは2カーゴを供給可能だ。売り物が多いなか、台湾向けで新規需要が浮上した。台湾中油(CPC)が5日に応札を締め切った買い付け入札は、3月上旬台中基地(年間受入能力600万トン)もしくは永安基地(同1,050万トン)着1カーゴが、北東アジア着のスポット市況に対して10~20セントのプレミアムで落札されたもよう。一方、同じく入札の対象だった2月中旬台中基地着1カーゴは、同10~20セントのディスカウントだったようだ。このほか、東南アジア向けで新規需要が浮上している。フィリピンの電力会社ファーストジェン(First Gen)は1月22日~2月2日バタンガス着を対象に買い付け入札を開示中。この入札にはトラフィギュラやビトールなど、手持ち玉を多く抱える欧トレーダー勢が参加する見込みだ。落札者は12月20日に決まる予定。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 南アジアではインド向けでは、国営ペトロネットが1日に応札を締め切った入札で、12月後半にダヘジ基地(年間受入能力1,750万トン)に到着となる1カーゴを購入した。売り手はポートフォリオプレーヤーで、落札価格は14.60~14.80ドルとみられている。中東クウェートは日中の最高気温が20度台後半のため、発電燃料用のガス需要は低調。ただ12月下旬にかけて夜間の最低気温が10度以下となる見通しのため、少ないながらも暖房需要が発生する可能性がある。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 豪ウッドサイドはメキシコの太平洋側で開発中のサグロエネルギア(Saguaro Energia)プロジェクト(年産1,410万トン)からLNGを調達する。ウッドサイドは6日、同プロジェクトを運営するメキシコパシフィック社と20年間の長期契約で売買契約を締結した。LNGの出し手である豪州企業がメキシコからLNGを調達する狙いについて、日本企業からは「長期的にみて豪州はガス田が枯渇してきており、その備えだろう。また、サグロエネルギアは太平洋側でパナマ運河の影響を受けない強みもある」との声が聞かれた。
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