原油・コンデンセート=2月5~9日: アジア勢、CPCブレンドの買いを再開
中東原油/コンデンセート 国営サウジアラムコは、アジアの契約者向けとなる同国産の主要油種の3月積みOSPを大方、前月から据え置いた。アラブエクストラライト(AEL)の3月積みOSPが2月比5セント、アラブミディアム(AM)が同20セント引き下げられた他は、アラブライト(AL)、アラブスーパーライト(ASL)、アラブヘビー(AH)のOSPはいずれも2月積みと同水準となった複数の長期契約者からは、今回の3月積み各種のOSPに対して、予想に反して低い水準になったとの声が聞かれた。1月におけるドバイの月間格差が、12月に比べ大幅に拡大していたことを受け長期契約者の多くは、ALは前月比で50セント前後、他の油種もALおおむね同水準、引き上げられるとの見方をしていた。
アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ原油/コンデンセート 北東アジア着のカザフスタンCPCブレンドの市況連動相場は、大幅安となった。CPCブレンドは紅海の航行制限のために、先月の市場では既報のとおり、アジアへ流入していなかった。このため、CPCブレンドは主に欧州で消費されていたが、アジアへ流入しないぶん、欧州向けの供給が増加し価格が下落していたようだ。ここにきて韓国の需要家などアジアの需要家は、価格の下落を好感し、CPCブレンドの買いを再開した。韓国のSKエナジーは5月着のCPCブレンド200万バレルを購入したと伝えられた。また、中国国際連合石化(ユニペック)も5月着のCPCブレンドを6日に購入したようだ。CPCブレンドをVLCCタンカーに積み込み、喜望峰回りでアジアへ持ち込むようだ。上述の成約価格は不明ながら、5月着のCPCブレンドは北東アジア向けにCFRでDTDブレントに対して1.00ドルのプレミアムで売り唱えられているようだ。このため、成約可能水準はこれをやや下回るようだ。
南方原油/コンデンセート 4月積みベトナム産の商いでは、ベトナム国営PVオイルがチムサオの販売入札を開示した。ベトナム時間15日9時応札の締め切り、同20日18時有効期限で実施されるこの入札の対象は、4月20~24日積み30万バレル。一方、タイ石油公社(PTT)やベトナムのビンソン石油精製化学(BSR)など複数の需要家がこの入札に参加する見通し。堅調な軽油マージンを背景に、4月積みに対する買い気は3月積みに比べて強まる可能性がある、との見方が聞かれた。実際、シンガポールにおける4月限の軽油のドバイスワップに対するクラックスプレッドは7日時点で22.87ドルと1カ月前の3月限と比較して、約2ドル高い水準にある。
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