LPG=2月5~9日:買い気回復で極東着が上昇
CFR極東:
先週の極東着市場は、買い気の高まりを受け上昇した。Rim Asia Indexは2月8日時点で、プロパンが612.50ドルと2日比30.00ドル高、ブタンが652.50ドルと同54.00ドル高となった。プロパンに比べ、ブタンの需給タイト感が強まったことから、ブタンの上げ幅はプロパンのそれを上回った。トレーダー勢や中国向けのプロパンの買い気が高まった。3月前半着プロパン2万3,000トンは6日、3月極東着市況対比8ドルのプレミアム(6日時点で607ドル、もしくは3月CP対比6ドルのプレミアムに相当)で成約された。このほかにも、華南と華東のプロパン脱水素(PDH)プラント向けにプロパン4万6,000トンが販売された。ブタンでは、INPEXが実施したCFRベースの買い付け入札に10社前後が参加し、3月下旬~4月初め着プロパン/ブタン各2万2,000トンが3月極東着市況対比1けた台後半から10ドル台半ば~後半のプレミアムで落札されたと伝えられた。
FOB中東:
3月CP予想は原油高や中東産カーゴの買い気の高まりに伴い、プロパン610ドル前後、ブタン620ドル前後に上方修正されている。インドのヒンダスタン石油(HPCL)が3月積みプロパン/ブタン各2万2,000トン計2カーゴを対象として実施した買い付け入札を開示したが、これをキャンセルした。同社がカタール産ガス1社およびアブダビ産ガス1社の関連会社の中東トレーダー1社から、それぞれ3月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンを購入したとの情報が聞かれたが、これらのカーゴはターム玉の追加の可能性も指摘されている。一方、北海産ガス1社は3月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンを英メジャー1社から3月CP対比8~10ドルのプレミアムで購入したと伝えられた。
日本国内:
2月の京浜の陸上相場は、プロパンが96,000~96,300円、ブタンが102,000~102,500円といずれも急落した。需給緩和を受けた。複数の売り手が浮上しており、ディーラー間の売唱えはプロパンが96,000円台前半、ブタンが102,000円台半ばで伝えられた。一方で、買い手は足元の購入には関心が薄い様子。ディーラー1社はターム玉で需要を満たす心積もり。一方、3月CP予想の上方修正とフレートコストの上昇を受けて、先高観が台頭しているため、元売り各社はスポット供給を停止している。