電力=2月26日~3月1日:電力スポットは前週比で続伸、気温低下と太陽光減で
2月26日~3月1日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに続伸した。2月入り後も暖冬の日が続いたものの、2月最終週は平年並みまで冷え込む地域が多かったことや、雲の多い日が続いたため、需給が引き締まり傾向となった。ただ、それでも高値で20円を付けることはなく、上値は限定的だった。 東西のメインエリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、26日が1.25円、27日が0.79円、28日が2.21円、29日が0.16円、1日が1.15円の東高西低だった。
燃料相場は、前週比でLNG、石炭が上昇し、原油は小幅安だった。 北東アジア市場のLNGスポットは、2月29日時点で期近の24年4月着品がmmBtuあたり8ドル台後半となり、前週末(2月22日)から0.3ドル程度の上昇となった。これまでの相場下落で値ごろ感から中国の需要家中心にスポット調達の動きが進んだことや、欧州の天然ガス相場が強基調で推移したことが強材料となった。経済済産業省が28日に公表した、25日時点の発電用LNGの在庫が216万トンとなり、前週から7万トン増えた。前年2月末時点の248万トンを下回ったが、過去5年平均の213万トンを上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、週後半時点で24年4月積みがトンあたり132ドル台前半となった。前週末から8ドル程度の上昇となった。ガス価格の上昇に連動した。 原油相場は、1日午後時点でWTIの24年4月物がバレルあたり78ドル台前半、ブレントの24年5月物が82ドル台前半で推移している。いずれも前週末から小幅安だった。中東情勢が強材料となった一方、米国の原油在庫が市場予想を上回る増加幅となるなど弱材料も散見され、相場は方向感に欠く値動きとなった。
週を通じた実勢高値は、26日の北海道で付けた19.73円。一方、実勢安値は0.01円となり、27日と1日に九州で、28日に北陸~九州の5エリアでそれぞれ付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.84円高の10.12円、東北が同0.65円高の10.06円、東京が同0.38円高の10.22円、中部が同0.03円高の9.75円、北陸が同0.45円高の9.29円、関西、中国、四国が0.52円高の9.10円、九州が同0.05円高の8.50円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比2.8%減の11億2,712万7,420kWh、買い札が同8.2%増の9億2,713万5,440kWhとなった。約定量の週間平均は同8.6%減の7億699万9,060kWhだった。
2月26日~3月1日の9エリアの電力需要は131億4,769万4,000kWhとなり、前週2月19~23日の123億4,776万5,000kWhから6.5%増加した。なお、曜日を合わせた前年の2月27日~3月3日の需要実績は124億6,768万4,000kWhで、増加率は5.5%となった。
2月26日~3月1日のJEPXの先渡市場では、約定がなかった。
2月26日~3月1日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
2月26日~3月1日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
3月第2週の電力スポットは大きな変化がない見通し。気温は平年並みか平年より低めの日が多いが、天気は2月最終週に比べ西日本中心に晴れ間の日が多い見通しのため、一定の太陽光発電が見込まれ、昼間中心に価格は上値の重い展開が続きそう。ただ、火力発電の停止が増えることで予備力は低下するため、発電設備のトラブルなどが発生した場合、思わぬ高値を付ける可能性はある。
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