LNG=3月4~8日:東北電がスポット購入
DES北東アジア相場は先週、期近着が一時8.85~9.15ドルで推移した。値ごろ感からスポット需要が増加している。また、米フリーポートプロジェクト(年産1,500万トン)やサビンパスプロジェクト(同3,000万トン)の供給が低調なことも強材料視されているもよう。 東北電力が5日に応札を締め切った入札を通じて、4月新潟基地(年間受入能力850万トン)着1カーゴを9.00ドル~9ドル台前半で購入した。東北電力管内で水力発電の稼働が不調となり、発電用のガス需要が増加したとの見方が寄せられている。一方、中国の北京ガスが5日に応札を締め切ったDESベースの買い付け入札は、6~7カーゴが北東アジア着のスポット市況連動で落札されたようだ。対象は5~11月着の計7カーゴもしくは、5~9月着各月1カーゴと10~12月着1カーゴの計6カーゴだった。この他にもスポット調達に前向きなプレーヤーがいるようだ。中国需要家は「このところのスポット相場は長期契約カーゴと比べ割安感があるため、需要家にとってはいまが買い時。また、(中国)国内の陸上LNG相場が11.00ドル前後で推移しており、スポット調達したカーゴを国内で売れば、十分に利ざやを確保できる」と伝えている。 ただ、5日に開幕した中国の全国人民代表大会で、中国の経済成長率目標が5%前後に据え置かれた。「経済成長の鈍化は否めず、産業用のガス需要の伸びは期待できない」(日本企業)との声も寄せられている。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 南アジアでは現在、パナマ運河やスエズ運河が使いにくくなっている関係で、北米出しや中東出しのカーゴが北東アジアよりも運航距離の短いインドに集まりやすくなっている。欧ビトールは前月に続いて4~8月インド・ダヘジ基地(年間受入能力1,750万トン)着の計5カーゴを対象とした販売入札を実施した。中東では、明確な買唱えは市場で聞かれなかった。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 米フリーポートプロジェクト(年産1,500万トン)においては、停止中の液化系列1基の3月中旬での再開について懐疑的な見方も浮上している。さらに、米サビンパスプロジェクト(年産3,000万トン)においても、生産量が減少していると伝えられた。南米コロンビアのカルタヘナ基地(年間受入能力370万トン)は年初から月4カーゴ程度のペースでLNGを輸入しているが、「そのうちのほとんどは英BPから購入したパーシャルカーゴで占めている」(日本商社)という。
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