原油・コンデンセート=3月11~15日:AH、サウジアラムコが供給削減
国営サウジアラムコは、アジアの長期契約者に対してサウジアラビア産の4月積みの大半を契約で取り決められた数量どおり供給すると伝える一方、重質油種のアラブヘビー原油(AH)に関しては、インド、中国、一部の北東アジアの契約者に対する供給を削減すると通告した。AHに関してサウジアラムコは、3月積みについてもわずかながら契約者向けの供給を減らしていた。サウジアラムコはAHの供給を減らす代わりに、複数の契約者に対してアラブミディアム原油(AM)の代替供給を提案した。 サウジアラムコによるAHの供給余力の減少は、AHの油田を含む生産設備で3~4月にかけて修繕作業が実施される影響がある。AHはサウジアラビア東部のマニファ油田の他、ベリ油田やアブサファ油田で生産されている。南アジアの需要家は「AHに対する需要自体がALやAELに比べ相対的に少ないうえ、AMが代替供給されていることからことから、市場に混乱は見受けられない。ただ、アジアの重質油種の需給は、AHの供給削減によりややタイトに推移することになりそうだ」と指摘した。
【アフリカ/欧州/ロシア/アメリカ】 4月積みナイジェリア産ボニーライト原油の市況連動相場は大幅高となった。ナイジェリア産原油の供給がタイトな状況が続いた。ボニーライト原油を供給する日量15万バレルのネンベクリークトランクライン(Nembe Creek Trunk Line)に2月28日に不具合があり、稼働が停止となったこれを受け、ボニーライト原油の供給が10日程度遅れた。このため、ボニーライト原油を中心にナイジェリア産の需給がタイトとなった。インドのヒンダスタン石油(HPCL)は先週の市場で5月着のボニーライトを計200万バレル手当て。同カーゴはCFRべースで取引されたが、価格はFOB換算でDTDブレントに対して5ドル近いプレミアムと伝えられた。
【南方】 ベトナム国営PVオイルが5月積みスツデン原油の販売入札を開示した。ベトナム時間15日11時応札の締め切り、同18日20時有効期限で実施されるこの入札の対象は、5月15 ~21日積み1カーゴ(30万バレル)が対象となった。
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