電力=3月11~15日:電力スポットは前週比で反落、寒さ緩和で売り増加
3月11~15日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東西ともに反落。低めの気温が続いた前週に比べて寒さが緩んだほか、太陽光発電も増えたため、需給も緩和傾向となり、余剰電力の投入が増え価格も軟化傾向となった。とくに高めの気温が続いた九州では、11日を除き連日で0.01円を付けた。 東西のメインエリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、11日が0.37円、12日が1.85円、13日が1.76円、14日が0.57円、15日が2.07円の東高西低だった。
燃料相場は、前週比でLNGが小幅安、石炭が下落した一方、原油は上昇した。 北東アジア市場のLNGスポットは、3月14日時点で期近の24年4月着品がmmBtuあたり8ドル台後半となり、前週末(3月8日)から0.2ドル程度の小幅下落となった。需給の緩みが顕在化したほか、欧州の天然ガス相場も上値の重い展開となったことが弱材料となった。経済済産業省が13日に公表した、10日時点の発電用LNGの在庫は183万トンとなり、前週から12万トン減少した。前年3月末時点の233万トン、過去5年平均の214万トンをいずれも下回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、週後半時点で24年4月積みがトンあたり129ドル台後半となった。前週末から7ドル強の下落となった。ガス価格の下落につれ安となった。 原油相場は、15日午後時点でWTIの24年4月物がバレルあたり81ドル台前半、ブレントの24年5月物が85ドル台前半で推移している。いずれも前週末から2ドル程度の上昇となった。米国の原油在庫が減少したことや、国際エネルギー機関(IEA)が24年の石油需給について引き締まり傾向となる見通しを示したことなどが強材料となった。
週を通じた実勢高値は、12日の北陸で付けた21.86円。一方、実勢安値は0.01円となり、12日は九州、13日は東京と中部を除く7エリア、14日は九州、15日は西日本6エリアでそれぞれ付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比1.46円安の11.82円、東北が同1.72円安の10.39円、東京が同1.09円安の11.08円、中部が同1.13円安の10.29円、北陸が同1.17円安の10.09円、関西が同1.52円安の9.73円、中国、四国が1.55円安の9.70円、九州が同1.47円安の8.93円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比9.5%増の10億3,140万9,740kWh、買い札が同4.7%減の9億840万7,920kWhとなった。約定量の週間平均は同0.8%増の6億7,032万5,760kWhだった。
3月11~15日の9エリアの電力需要は126億6,675万1,000kWhとなり、前週3月4~8日の133億7,424万3,000kWhから5.3%減少した。なお、曜日を合わせた前年の3月13~17日の需要実績は113億3,419万kWhで、増加率は11.8%となった。
3月11~15日のJEPXの先渡市場では、約定がなかった。
3月11~15日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
3月11~15日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
3月第4週の電力スポットは、第3週から若干上向きそう。第3週に比べて雲が多くなる見通しのほか、気温も若干低下傾向となる予報のため、需給は引き締まり傾向となり、価格も底上げの動きになるとみられる。ただ、極端に寒くなる予報が出ているわけではないため、引き続き上値は限定的となり、高値でも20円を超えることはなそうだ。
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