石油化学=3月18~22日:ブタジエン上値伸ばす、品薄な状況続く
【アロマティクス】
韓国積みのベンゼン相場、北東アジア着のパラキシレン(PX)相場は週前半に高値を付けたが、その後は水準を切り下げた。原料コストの指標となる原油相場の動きを映した。また中国の浙江石化が保有する大型PX設備が3月末から定修入りするとの見込みが、PX相場を下支えする要因となった。
【オレフィン】
北東アジアのエチレン市場では、台湾中油(CPC)の林園工場内で16日に火災が発生したことを受け、週前半は様子見ムードが強まった。この影響もあり、同社の第3ナフサクラッカーの再開は25日以降に延期されたと伝えられた。ただし、全体的に買い気に強さは見られない。
北東アジア着のプロピレン相場は、需要の弱さを受けて軟化した。当週の取引では830~870ドルの範囲で複数の成約が聞かれた。東南アジア市場では、マレーシアのペンゲラン石油精製・石油化学(PRefChem)は近くナフサクラッカーをメンテナンスで停止すると見込まれるものの、新たに販売入札を開示している。加えて、東南アジアのプロピレン設備が稼働を再開していることなどもあり、供給の潤沢感が強まっている。
北東アジア着のブタジエン相場は品薄な商況が続いていることから堅調に推移した。アジア市場でナフサクラッカーの不具合や減産が続いているため、原料となるクルードC4(CC4)の生産自体が減少している。東南アジア市場では石化メーカー1社が5月積み2カーゴのCC4を対象とした販売入札を21日に締め切った。ブタジエン抽出設備の定修に伴うもの。東南アジア市場は当面、売り物が限られる商況が続きそうだ。
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