LPG=3月18~22日:4月後半の供給増で極東着が軟化
CFR極東:
先週の極東着市場は、供給増加を背景に下落した。Rim Asia Indexは21日時点で、プロパンが619.50ドル、ブタンが642.50ドルといずれも15日比5.50ドル安となった。4月後半着の売り手がスポット市場に浮上し、相場は切り下がった。22日にはトレーダー間でプロパン2万3,000トンが3月極東着市況対比1ドルのプレミアム(22日時点で609ドルもしくは4月CP対比9ドルのディスカウントに相当)で成約された。また、欧石化1社は同荷姿を4月極東着市況対比7ドル~1けた台後半のプレミアムで販売したと伝えられている。この先も、パナマ運河を通峡し極東への到着タイミングが明らかになった米国産カーゴの売り手がスポット市場に表面化すると予想される一方、買い手は少なくなっている。5月着の相場が4月後半着のそれを下回っていることから、買い手の関心は5月着に移行している。
FOB中東:
4月CPはプロパン615~620ドル、ブタン620~625ドルと予想されている。サウジアラムコは22日と28日、ターム顧客に対し4月CPについての聞き取り調査を実施するとみられ、31日に4月CPを通達する見通し。スポット市場では、4月積みの供給が潤沢だ。中東積みターム玉を引き取るプレーヤーがスポット市場での転売に関心を示している。これらの売り手はプロパン/ブタン各2万2,000トンを抱えており、売唱えを4月CP対比20ドル台半ば~後半のディスカウントに引き下げていると伝えられた。
日本国内:
3月渡しの京浜の陸上スポット相場は、プロパンが98,000~98,300円と変わらず。プロパンの商談では、大半のディーラーが3月渡しの商談を終了し、売買唱えは聞こえづらくなっている。太平洋側の海が荒れていることから、元売り1社の川崎基地への外航船の入着が遅れている。このため、23日に他の元売りの川崎基地からプロパンの振り替え出荷が実施されるとの情報が寄せられた。一方、ブタンが101,800~102,300円と小幅下落した。ブタンの売り手は売唱えを102,000円台前半に切り下げているものの、商談に積極的な買い手は見当たらない。