LNG=4月1~5日:日本除き北東アジアの需要低調
DES北東アジア相場は先週、期近着が一時9.10~9.40ドルで推移した。蘭天然ガス(TTF)市況の下落を受けた。北東アジアの需要も日本を除いて弱い。 中国の上海では4月1日に日中の最高気温が25度まで上昇したうえ、今後しばらく気温は15~20度を推移する見通し。このため今冬の暖房需要がまもなく一服するとの公算が大きく、LNG需要が減少するとの見方が広がっている。さらに中国国営石油企業が既報のとおり、パイプライン経由の国産ガス価格を9.00ドル前後に相当する水準まで引き下げた。これにより、LNG基地の使用権を有する需要家は9.00ドルを下回らなければ、パイプラインガスを優先的に使用するとみられる。「中国向け需要は夏が近づかなければ盛り上がらないだろう」(日本企業)との見方が寄せられている。 一方、日本向けの需要は引き続き強いとの見方が大勢だ。既報のとおり、JERAは3月中旬以降に積極的にスポット購入を行っている。新たな情報によると、購入数量は少なくとも10カーゴに上るという。さらに同社は5~7月着5カーゴの追加購入も検討しているようだ。JERAがスポット購入を繰り返している背景について日本企業は、「長期契約玉の売り手にUQT(上方数量弾力性)の行使や追加供給を要請するよりも、スポット調達をする方が安価なことが要因として挙げられる。現在、中東やウクライナの情勢悪化により原油価格が上昇傾向し、ブレント原油市況連動の長期契約玉の価格が上昇傾向にある」と伝えた。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 インド勢の調達ペースは3月以降落ち込んでいるが、背景の一つに「国内のガス供給ハブであるインドガス取引所(IGX)からも天然ガスを引き取れるため、輸入業者はLNGのスポット調達に慎重になっている」(インドの需要家)ことがある。IGXは2020年に取引が始まり、23年の取引量は前年から16%増加。市場拡大でIGXからの調達もインドの需要家の選択肢になりつつある。中東ではアラブ首長国連邦(UAE)は気温が上がり始める4~5月にLNGの輸入を再開する見通しだ。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州では需要期が明けたことで、ガスの消費量は後退。さらに、4月前半の気温が平年を上回るとの予報も出ていることがTTF市場の弱材料となった。
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