LNG=5月6~10日:ゴーゴンプロジェクトでトラブルも供給潤沢
DES北東アジア相場は先週、期近着が一時10.35~10.65ドルで推移した。豪ゴーゴンプロジェクト(年産1,560万トン)の生産トラブルを受け相場は連休前から上昇したが、潤沢な供給が上値を抑えた。 ゴーゴンプロジェクトの第2液化系列(同520万トン)で4月30日、コンプレッサーの不具合によって生産が停止した。現時点で停止期間は5週間と伝えられている。あまり停止期間が長引かないとみる向きもあるが、「ゴーゴンプロジェクトは液化系列1基だけでも年間生産能力が500万トンを超える大規模プロジェクト。このため同プロジェクトで不具合が発生すると、市場への何らかの影響は避けられない」(日本企業)との懸念の声が寄せられている。 ただ市場ではスポット供給が依然として多い。不需要期に入ったことが背景にあり、多くの需要家は調達を急いでいない。このなか、ポートフォリオプレーヤーに加えて需要家も、余剰玉を北東アジア着市場での販売に動いている。中国石油天然気(ペトロチャイナ)、欧グレンコア、仏トタルエナジーズ、独ユニパーおよびドイツ国営のエネルギー大手SEFEが6~7月着を、北東アジア着のスポット市況対比プレミアム圏で売り唱えた。これに対して市場で見られた買唱えは中国独立系の新奥集団(ENN)による6月前半着に対する9.70ドルの1件のみだった。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 中東ではクウェート向けで新規需要が浮上してきたものの、中東全体の買い気は鈍いままだ。とりわけUAEでは、バラカ原子力発電所(出力560万kW)やアルダフラ(Al Dhafra)太陽光発電所(同200万kW)からの発電が順調なため、発電燃料用としてのLNG需要が弱い。「中東はすでに暑くなっており、季節的な需要は増えていると思うが、例年どおりに気温が推移しているイメージ。例年と比べた場合、需要の増減は小さいかも」(中東需要家)。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 欧州では英国の首都ロンドンでは来週前半まで、日中の最高気温が20度台前半を推移するとの予報が出ている。またガスインフラストラクチャーヨーロッパによると、欧州域内の天然ガス在庫は7日時点で62.84%。高い水準を維持している。南米ブラジルでは先月末から南部リオグランデドスル州を襲った大雨による洪水被害で、停電が発生。市場では「何らかのガスの需要に悪影響を及ぼす可能性がある」(日本企業)
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