LNG=5月13~17日:関西電力が6月着1カーゴ購入
DES北東アジア相場は先週、期近着が一時10.70~11.00ドルとで推移した。相場の方向感に欠けるなか、日本勢の売買が目立った。 関西電力が先週前半に締め切った買い付け入札で、6月15~20日着の1カーゴを購入した。価格は7月限の北東アジア着のスポット市況に対して5セントのプレミアム。同社による今回の購入の背景については、複数の見方が伝えられている。舞鶴石炭火力発電所1号機(出力90万kW)が5月8日に稼働を停止したことを受け、不足分の電力をLNG火力発電所の稼働で補う必要が発生したもよう。また、「スパークスプレッドが拡大していることで、関西電力は電力の販売を強めたいのだろう」(日本のガス会社)との指摘も寄せられている。同社はさらに夏場には各月1カーゴを購入する可能性がある。東北電力は15日に応札を締め切った買い付け入札で、6月着と7月着の2カーゴを購入した。 一方、依然として市場には余剰玉が存在している。15日の取引では、東京ガスが7月29~31日着のカーゴを7月限の北東アジア着のスポット市況に対して9セントのプレミアムで売り唱えた。「同社が売りに動いている背景として、産業用向け販売の低迷に節ガス志向が加わり、需要が悪いことが挙げられる」(日本企業)。
【FOB中東・DES中東・DES南アジア】 気温の上昇に伴い、中東向けの実需は徐々に強まっている。クウェート石油公社(KPC)が8日応札の締め切りで開示していた買い付け入札は、10ドル台半ばで落札された。落札者など詳細は不明。対象は6月8日~7月31日クウェート着だった。
【FOB大西洋圏・DES欧州・その他地域】 フィンランド国営ガスム(Gasum)がこのごろ、6月着および7月着の計2カーゴを購入した。また、ラトビア国営ラトブエネルゴ(Latvenergo)が14日、8月30日および10月25日クライペダ基地(Klaipeda、年間受入能力290万トン)着の計2カーゴを対象とした買い付け入札の応札を締め切った。南米コロンビアでは昨年からのLNG購入が一巡したとの見方が寄せられている。
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