電力=5月13~17日:前週比で東が続伸し西が続落、天気と分断動向で
5月13~17日受け渡しの電力スポット価格24時間の週間平均は、前週比で東日本が続伸し西日本が続落した。西日本(60Hz)では、東日本(50Hz)に比べて晴れ間の日が多かったため、昼間価格の東高西低が鮮明となった。また、連系線の作業が実施されていることを映し、前週に比べて東京中部間の市場分断が急増したことも東西値差が拡大する要因となった。東京中部間の分断は、5月6~10日が合計61コマだったのに対し、5月13~17日は142コマとなった。 東西のメインエリアである東京と関西の電力スポットの24時間平均の値差を見ると、13日が4.54円、14日が3.76円、15日が3.57円、16日が5.04円、17日が4.90円の東高西低だった。
燃料相場は、前週比でLNGが小幅安、石炭と原油が上昇した。 北東アジア市場のLNGスポットは、5月16日時点で期近の24年7月着品がmmBtuあたり10ドル台半ばとなり、前週末(5月10日)から0.1ドル程度の下落となった。欧州の天然ガス相場は堅調に推移し強材料となったが、北東アジア市場の需給は緩和傾向が続いたため、相場は上値 の重い展開となった。経済済産業省が15日に公表した、5月12日時点の発電用LNGの在庫は214万トンとなり、前週から13万トン増となった。前年5月末時点の241万トンは下回ったものの、過去5年平均の211万トンを上回った。 豪ニューキャッスル積みの一般炭相場は、5月16日時点で24年5月積みがトンあたり143ドル台半ばとなった。前週末から1ドル程度の上昇となった。 原油相場は、17日午前時点でWTIの24年6月物がバレルあたり79ドル台半ば、ブレントの24年7月物が83ドル台半ばで推移した。前週末からいずれも1ドル程度の上昇。米国や中国の 経済指標が強材料となったほか、米国の原油在庫が市場予想を上回る減少幅となったことも相場を押し上げる要因となった。
週を通じた実勢高値は、17日に北海道で付けた32.25円。一方、実勢安値は連日に付けた0.01円となり、13日は九州で、14~17日は西日本とシステムプライス(SP)でそれぞれ付けた。 エリア別に24時間の週間平均を見ると、北海道が前週比0.55円高の11.86円、東北が同0.49円高の11.79円、東京が同1.04円高の12.36円、中部が同1.35円安の9.08円、北陸が同0.03円高の8.02円、関西と中国が同0.01円安の8.00円、四国が同0.13円安の7.75円、九州が同0.30円安の7.35円だった。 売買入札量の週間平均は、売り札が前週比9.4%増の10億9,771万980kWh、買い札が同5.1%増の8億3,574万2,690kWhとなった。約定量の週間平均は同4.9%増の6億5,815万150kWhだった。
5月13~17日の9エリアの電力需要は、103億3,461万3,000kWhとなり、前週5月6~10日の99億4,227万7,000kWhから3.9%増加した。なお、曜日を合わせた前年の5月15~19日の需要実績は106億6,016万2,000kWhで、減少率は3.1%となった。
5月13~17日のJEPXの先渡市場では、約定がなかった。
5月13~17日の東京商品取引所(TOCOM)の約定結果は下記表のとおり。
5月13~17日の欧州エネルギー取引所(EEX)の約定結果は下記表のとおり。
5月第4週の電力スポットは、第3週を上回る価格となりそう。第3週に比べて太陽光発電が減少する見通しのほか、関東から九州では27~28度の地域が多くなる予報のため、需給は引き締まり傾向となり、価格も底上げの動きになるとみられる。5月中の気温はかなり高くなる見通しのため、冷房需要が増加傾向になる可能性もありそうだ。
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