LPG=12月23~27日:1月後半着の売り手残る
CFR極東:
先週の極東着市場は堅調な原油相場を受け小幅高。Rim Asia Indexは12月26日時点で、プロパンが597.75 ドルと、ブタンが587.75ドルとそれぞれ12月20日比2.00ドル高。1月後半着カーゴを抱える売り手がスポット市場に残っている。24日にはトレーダー1社がプロパン2万3,000トンを1月極東着市況対比6.5ドルのディスカウント(同日時点で589.5ドルもしくは1月CP対比38.5ドルのディスカウントに相当)で販売打診するも、大半の買い手はこのタイミングの需要を満たし終えており、成約には至らなかった。市場参加者の関心は2月着に向いているが、買い気は現時点で強くはなさそうだ。華北でプロパン脱水素(PDH)プラントを操業する1社は2月着の買い付け余地があるものの、設備の稼働状況に合わせて調達数量を抑える意向を示唆した。
FOB中東:
1月CPはプロパンが625ドル前後、ブタンが620ドル前後で予想されている。1月積みでは、積極的な売買プレーヤーは見当たらず、商談は手仕舞いもよう。2月積みでは、大半のプレーヤーが1月CPの確定を待っており、ファームな商談は聞かれていない。中東産カーゴに対する買い気は弱いとみられ、2月積みプロパン/ブタン各2万2,000トンの商談水準は2月CP対比20ドル台のディスカウントと市場関係者はみている。
日本国内:
12月渡し京浜の陸上市況は大きな動きが見られなかった。一方、届け市場では物流が混乱した。寒波の到来で実需が盛り上がったほか、年末年始の長期休暇に備え、在庫の積み増しに動く小売会社や需要家が多かった。運転手の時間外労働の上限規制強化で輸送能力が落ちていたため、内陸など一部のエリアでは運べない事態に陥った。「2024年問題」が顕在化した格好となった。週後半ころから1月CP確定前の1月渡しの工場向け入札が始まったが、配送ネックから応札に消極的な卸業者が少なくなかった。受注けん制含みの応札にもかかわらず、意図せず落札に至るケースもあったようだ。